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本日のイタリア語

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まなざしの長さをはかって

昨年のイタリア映画祭で見損なった一本。

ポー川沿いの小さな村に、代理教師としてやってきたマーラ。
美しい独身女性は、あっという間に村中の男性たちの注目の的になる。

木立の中に佇む一軒家に暮らすことになったマーラ。
そんな彼女を、夜な夜なこっそりと外から見つめる
自動車修理工のハッサン。チュニジアからの移民だ。
同じく、彼女に淡い気持ちを抱く青年、ジャーナリスト志望のジョヴァンニは、
マーラのメールアドレスとパスワードを盗み見し不正アクセス。
マーラと親友のやり取りを盗み読むようになる。

ある日、外から家の中を伺っていたハッサンに気づいたマーラ。
一度はハッサンの思いをぴしゃりと跳ね返したものの、
誠実で実直なハッサンに次第に惹かれていき、二人は結ばれる。

しかし、代理教師就任時から、次の仕事が決まっていたマーラ。
それは、村を離れることに他ならない。
結婚を申し込むハッサンにも、何も返事をすることができなかった。
そして、旅立ちの前日、悲劇が起こった。

マーラの死体が川から上がり、ハッサンが逮捕される。
一方的な裁判が進み、ハッサンは刑務所で自殺してしまう。

それまで裁判に無関心でいようとあり続けたジョヴァンニが、裁判の記録を読み直すと……。

こんなミステリー仕立ての映画とは知らなかったので、
けっこうドキドキしてしまいました。
結末は意外な展開を告げますが、
しかし本当にこんな裁判があったとしたら、イタリアの裁判て考えものです。
あまりにも捜査が杜撰すぎる。

ハッサンはとても優しく、まじめで、マーラが惹かれたのもわかります。
でも二人の立場は違いすぎる。
マーラは国際協力で世界を飛び回りたいと考えるような、活発、外交的な女性。
男性とのセックスも彼女にしたら、深い意味はなかったのかもしれません。
しかし、ハッサンにとっては、彼女と結ばれたことは、結婚に直結するような
重いできごとだったに違いありません。
ハッサンの思いが痛すぎる。

それにしてもこのタイトル、よくわかりません。
ジャーナリストを目指すジョヴァンニが新聞記者として受けたアドバイス。
それは、人との正しい距離の取り方。
遠すぎれば真実味が失せ、近くなりすぎれば客観的に書けない。
その時の言葉「La giusta distanza」正しい距離、というのが原題です。
しかし、その言葉を守らず私的感情に動かされて事件を掘り返したからこそ
ハッサンの無実が証明されたわけです。
つまり「正しい距離」というのは時と場合によるものだ、
というのが映画の言いたいところという気がします。

もちろん邦題には、原題を直訳する必要はまったくないわけですが、
このタイトルは疑問だなぁ。「まなざしの長さ」っていうのもおかしな日本語だし、
映画の主題とも離れちゃっている気がします。

見ていて楽しいのはマーラ役のヴァレンティナ・ロドヴィーニがとにかくかわいいこと。
まさにイタリア人のかわいさ!
見ていてうっとりしちゃいます。

そして、もうひとつ印象に残ったのは、最後のジョヴァンニの台詞。
ジョヴァンニは事件の真相を記事にし、ミラノの有力紙に記者として引き抜かれました。
「イタリアで最悪の町に住むことになった」
と言って終わります。
確かに多くのイタリア人(ミラノ人以外)は、そう言いますよね。
でも、ミラノだって美しいぞ!!と、私は思う。
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by arinko-s | 2009-04-27 21:33 | 映画 イタリア
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