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本日のイタリア語

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イタリア医者事情

「イタリアの医療現場から、外科医がいなくなる日は遠くない」
と、14日の『la Repubblica』が伝えています。

主な原因はふたつ。
まず、同年代の人たちと同等に稼げるようになるまでに時間がかかり過ぎること。
医学部6年、外科としての専門コースが6年(科によってはもっと短い)、そしてそこから4年かけて収入が追いつくとのこと。
おまけにこれは、最短距離。医学部を卒業するのに、多くの学生は7〜8年かかります。
そりゃ、遠い道のりです。

ふたつめは、訴訟に持ち込まれるケースが続出していること。
90%のイタリア人が医者を信頼する、と言っているにもかかわらず、外科医の8割が訴訟にもちこまれたことがあるそうです。このほとんどが不当な訴え。というのも、9割は無罪放免されているというのです。

しかし、一度訴えられた医者は、たとえ無罪を勝ち取っても、元通りの精神状態で働くことはなかなかできません。復職するのは、至難の業のようです。

こんな状況から、外科医を希望する学生が激減。毎年、外科医希望者は3割ずつ減っているのだとか。

もうひとつ。
2009年、外科医を希望した学生の、なんと50%は女性だったそうです。
しかし、昼夜関係なく働かざるを得ないハードな職場で、女性が外科医を続けながら家庭との両立を計るのは、とても困難。

ということで、
このままでは、外国から外科医に来てもらわざるを得ない、というのです。
あるいは、すでに医療の現場で大活躍のロボットに、さらに頼るしかない、と締めくくっています。

日本では、小児科医と産婦人科医の医者不足が深刻と聞きます。
科は違えど、どこの国も同じなんですね。
医者になるまでの道のりが遠いのも、
医者が訴訟を恐れる現状も、
女医さんにとって、家庭との両立はとても難しい、ということも。

そして、もうひとつ、日本とイタリアの状況がいっしょなのは、高齢化が進んでいること。
老人大国になればなるほど、医療の現場は過酷になっていくのでしょう。

外国人の看護士を受け入れはじめた日本ですが、イタリア同様、外国人医師が日本の医療現場で活躍する日も近いのかもしれないなあ、なんて。
この記事、他人事には思えませんでした。

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by arinko-s | 2010-10-15 17:59 | 本日のイタリア語
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