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本日のイタリア語

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LA BAMBINAIA FRANCESE

以前、ビアンカ・ピッツォルノの『Ascolta il mio cuore』(『この心臓のドキドキを聞いて』)について、ふれたところ、友人から「おもしろそうな本」との声をいただきました。
それに気を良くして、もう一冊、ピッツォルノの著作についてご紹介。

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タイトルは『LA BAMBINAIA FRANCESE』(『フランス人の子守り』)。
C.ブロンテの『ジェーン・エア』に着想を得て、ピッツォルノはこの物語を書いたそうです。

舞台は20世紀初頭のパリ。主人公のソフィーは、8歳の利発な少女です。父親を1930年の7月革命で、亡くして以来、母親のファンティーヌとふたり、モンマルトルで暮らしています。
ファンティーヌは針子の仕事で、生計を立てていました。

ある日、ファンティーヌの腕の良さを噂に聞いた男から、ブラウス12枚の注文が入ります。
ファンティーヌは、体調の悪いのをおして期限までにどうにかブラウスを仕上げました。
しかし、約束の日、発注主の男は現れません。ブラウスを買ってもらわないことには、家賃が払えません。
高熱を出して寝込んでしまったファンティーヌの横で、ソフィーは母親が大切にたたんだブラウスをそっと広げてみました。すると、余り布に届け先とブラウスの価格をメモした紙がつけられていることに気づくのです。それは、母親が請け負った金額よりも、はるかに高い金額でした。しかも、宛名は、パリで大人気のバレリーナ、セリーヌ・ヴァラン! 字の読めない母親は、このメモを読むことができなかったのでしょう。

ソフィーは、悩んだ末に、寝ている母親を置いて、自分でメモに書かれた住所へ、ブラウスを届けることにしました。外は猛吹雪。ソフィーはかごを抱え、必死で走ります。

セリーヌは、びしょぬれになったソフィーを家に招き入れ、温めてくれました。
そして、なぜこんな嵐の夜に女の子がひとりで届け物をしにきたのか、話を聞いてくれたのです。
ソフィー親子の事情を知ったセリーヌは、快くブラウスの代金を支払うと、暖炉用の炭や食料品を持たせてくれました。
そして、家に置いている黒人の少年、トゥーサンに付き添わせ、馬車で家まで送り届けてくれました。

しかし、喜び勇んで帰宅したソフィーを待っていたのは、母親の突然の死。おまけに門番は、ソフィーがどこかに行っていたことを責め立て、ブラウス代を「葬式代」として奪ってしまいました。
それを見ていたトゥーサンはソフィーを、セリーヌの家に連れて帰ろうとしました。しかし、ソフィーは母親のそばにいたい、と断ります。そして、母親の横で、一晩を過ごしました。

という、ところが、物語の導入部分。
この辺りを呼んだだけでは、どこが『ジェーン・エア』とつながるのか、まったく想像がつきません。
けれども、このあと紆余曲折があり、そして…

続きはまた今度。
by arinko-s | 2010-11-15 21:12 | 読書 イタリア語
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