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本日のイタリア語

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方言とイタリア語

来年はイタリア統一150周年!!
日本でも、たくさんのイベントが行われるらしいので、今から楽しみです。
もちろん、イタリア国内でも、あれこれ盛り上がっているようですが…

今、この統一150年に便乗したイタリア国営放送RAIのCMが論議を呼んでいるようです。
そのCMはこちら

交通警察官、バスケットのコーチ、神父さん、女優さんなど15人が、ものすごい勢いで方言を使って相手に話しかけるのですが、話かけられたほうは何といわれたのかさっぱりわからず。
顔をしかめて「えっ!?」と聞きかえしています。
そこに流れるナレーション。
「イタリア人が150年前と同じだったら、きっと今もこんなふうにコミュニケーションをはかれなかったに違いありません。わたしたちRAIは、とても大切な道のりを歩んできました。RAIはいつでも、皆様と共に」

つまり、テレビ放送が標準イタリア語を普及させ、方言の壁をなくした、と自画自賛しているわけです。
これに対し、各地方の言語学者や地方議員たちは怒り爆発。
「まるで方言は、悪しき過去の遺物であって、イタリア語のおかげで消えてくれたとでもいいたいのか?」
「方言を笑い者にするなんて、文化をけなすのと同じだ!!」
「単なるひとつの方言ではなく、これはひとつの言葉なんだ。RAIはばかにするんじゃなく、守る立場にあるはずだろ!!」
「方言は文化変容に抵抗する唯一の手段のはずだぞ!!」
などなど。

もちろん、単純に「あのCM笑えるね」って思っている人たちもたくさんいるようですが、地方文化を守っていこうとしている人たちにとっては、許し難きCMのようです。

もっちろん、わたしもこのCMの方言部分、なにをいっているのかまったくわかりません。
文字で見ても、同じです。
まったく別の言語としか、思えません。

でもこのCM、ある意味、真理をついていますよね。
テレビが普及していなかったら、方言はもっともっと威勢良かったはず。
それは日本だって同じです。

沖縄や青森で、地元の人たち同士の会話を聞いてもさっぱりわからないけれど、
でも、そういった土地の人たちも東京に出てくると、あえて方言を封印してしまう。
さっと、標準語に切り替えられるのは、やっぱりテレビの普及効果という気がします。
それが良いか悪いかは別にして、テレビの影響ってすごいってことですよね。
ま、テレビ局がそのことを「オレたちのおかげだ」みたく、胸はっていうところに腹がたつ、ってことでしょうか。

ともはかくあれ、ばらばらの小国家が寄せ集まってできた国、イタリア。
わたし自身は、このCMを見て、あらためてそのことを痛感しました。
こんなに違う文化を持つ人たちが、ひとつの標準語を作ってまとまろうとしたことに「あっぱれ!!」って、拍手しちゃいたくなりました。
(『Corriere della Sera 12月14日づけの記事より)
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by arinko-s | 2010-12-19 20:21 | 本日のイタリア語
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