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本日のイタリア語

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ノルウェーの森

絶対見にいこうと決めていたのに、気づいたら上映修了間近。
仕事放り出して、見に行ってきました。

結論からいうと、がっくりでした。
トラン・アン・ユン監督だし、「小説の世界を見事に表現」なんていう映画評も読んでいたし、すっごく期待していたのに。期待しすぎたのかも。

村上作品を尊重して、小説中の台詞を忠実に再現、と聞いていましたが、これがまた安っぽい。
もちろん、あの長編小説を2時間ちょいに収めるわけだから、すべてをなぞるわけにはいかないのはわかりますが、台詞がそのままだから余計に、エピソードをところどころ抜粋しました、っていう感じがしてたまりませんでした。

でもその割に大切なエピソードは、ことごとく抜かされています。
大切な、というのはわたしにとって、という意味ですが、
例えば、飛行機の中でワタナベくんが頭痛で苦しんでいると、ビートルズの『ノルウェーの森』がかかることとか(だから、これは『ノルウェーの森』なんだし)、
ワタナベくんと寮のルームメイトだった突撃隊がいつもラジオ体操をして、ワタナベくんを起こしてしまうこととか、
突撃隊の話をすることで、直子の気持ちが解けていくこととか、
緑に初めて話しかけられたとき、ワタナベくんは緑のポロシャツを着ていたこととか、
そのとき、緑はベリーベリーショートだったこととか、
ワタナベくんが緑の家に招かれたとき、ベランダで火事を見ながら緑がギターを弾いて歌ったこととか、
ワタナベくんと永沢くんが『グレート・ギャッツビー』の話をすることとか、
直子を療養施設に訪ねたとき、どこにあるのか誰にもわからない井戸の話をすることとか、
レイコさんが、自分の境遇をワタナベくんに告白することとか…

もう数え上げたらきりがないくらい、私の記憶の中に鮮やかなイメージとしてこびりついているシーンはことごとく映像化されていませんでした。
これだけ飛ばされていると、小説読んだことのない人には、あまりにも不親切。唐突なシーンがたくさんあったように思います。
これって小説ファンに向けての映画なのか、小説を読んだことのない人に向けて村上作品の魅力を伝える映画なのか、まったく不明。
こんなの『ノルウェーの森』の魅力、いや村上作品の魅力を半分も伝えてないじゃん、とだんだん腹がたってきて、終いには眠さも吹き飛んでしまいました。

と、映画の話はさておき、
イタリアで『ノルウェーの森』が出版されたのは、わたしがイタリアで生活しはじめて少し経ったころのことでした。
もちろん、村上春樹の大ファンのわたしは、すぐさま購入。
これならイタリア語で読めるかも、と考えたのです。
その本が、これ。
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タイトルは『TOKYO BLUES』です!!
よほど、頭をひねってつけたタイトルではないかと思います。
でも、小説の哀愁漂う雰囲気をうまく捉えたタイトルかもしれません。
このタイトルのせいかはわかりませんが、
「ほんとうに日本の大学生は、あんなに簡単に自殺しちゃうの?」
「日本の若者は、そんなに傷つきやすいのか?」
と、当時何度か聞かれました。
ちなみに、現在は『Norwegian wood』というタイトルに変えられています。

そうそう、当時日本のマスコミにはめったに姿を出さないことで知られていた村上春樹ですが、イタリアではこんな大サービスも。
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もちろんこちらも、発売直後に即買いしています。
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by arinko-s | 2011-01-21 22:13
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