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本日のイタリア語

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Ateriel Fontana アトリエ・フォンターナ

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今年の2月にイタリアの国営放送RAIで放送されたドラマ。

時は、1930年代。パルマ郊外の小さな村で育ったゾエ(右)、ミコル(中)、ジョヴァンナ(左)の3人姉妹。
お針子として仕事をする母親の影響で、3人は自然に洋裁を覚え、その道に進むことになります。
なかでもミコルは、母親の反対にも負けず、斬新なアイデアを次々とドレスに取り入れ、ひと際才能を開花させていきます。

ミコルの夢は、ココ・シャネルの街、パリに行くこと。
そのために、お金を貯めていました。
けれども突如方向転換。パリよりも現実的なローマに、姉妹を説得し、共に旅立つことを決心します。

ゾエとミコルは、それぞれローマで人気の仕立て屋に仕事を見つけ、ジョヴァンナは家事をしながら、近所の人たちから注文を受け家で仕事を始めます。
もちろん、最初は下働きをさせられていたミコルですが、徐々にチャンスをものにしていきます。

ある日、仕立て屋のオーナーから公爵夫人のドレスを請け負います。
ただの一針子に仕事を任せたことを知り、この公爵夫人は腹を立てるのですが、ミコルの作ったドレスを見て納得。
ミコルたち3姉妹が、自分たちのアトリエを作るための援助をしてくれます。

そして3人は夢をかなえ、ローマの中心に自分たちのアトリエを開きました。
公爵夫人のおかげで、初めてのショーには多くの上流階級の婦人たちがやってきます。
そして大成功を収めるのですが……。
一度はついたかのように見えた顧客たちも、次第に離れていってしまいました。

そんな時に訪れた偶然。
それは、メキシコの女優リンダ・クリスティアンとの出会いでした。
リンダは、ハリウッド俳優タイロン・パワーとの結婚式をローマであげようと、ローマに滞在中でした。
ひょんなことからアトリエ・フォンターナに立ち寄ったリンダは、姉妹の才能にすっかり魅せられ、ウエディングドレスを作ってもらうことにしたのです。
リンダのドレス姿は、アメリカの雑誌でも報じられ、フォンターナ姉妹の名は一躍世界に知られることとなります。

というのが大雑把なあらすじ。
初めて世界に、イタリアン・モーダを紹介したといわれるフォンターナ姉妹の実話をドラマ化したものです。
このアトリエの歴史に加え、ミコルの人生の紆余曲折にスポットを当てて、物語が描かれています。
当時離婚が認められていなかったイタリアで、夫と別れ、ひとりで子どもを育てたミコル。
その大切な子どもが、ヴァカンス先のカラブリアでチフスにかかり亡くなってしまうのです。

本当に悲しいエピソードなのですが、そのとき娘の症状に気づいてくれた若い医師と、その後再婚できたということなので、まあ終わり良ければ…ですね。
なにしろ、ミコルは強い!
自分の才能を信じ、目標に向かって突き進む姿はとても魅力的。
娘のマリア・パオラの死によって、そのミコルが絶望のどん底に落ちてしまったときには、おもわず涙しちゃいました。
ミコルが元気を取りもどし、胸をなでおろしたのはきっとわたしだけではないはず。

このドラマの中では、ミコルが姉妹を引っぱっていったように描かれていますが、実際には最初に田舎を捨て旅立ったのは長女のゾエだそうです。
行き先を決めずに駅に向かい、最初に来た電車に乗ると決めて家を出たのだとか。
そしてたどりついたのがローマだったそうです。
これを知ると、やはり長女! ゾエも強い女性だったのですね。

ちなみに、フォンターナ姉妹のドレスを着た著名人には、エリザベス・テーラー、オードリー・ヘップバーン、グレースモナコ妃、ジャクリーン・ケネディなどなど、そうそうたる名前が並んでいます。
フェリーニの『甘い生活』のなかの有名なワンシーン、トレビの泉で水浴びするアニタ・エクバーグが着ている黒いドレスも、アトリエ・フォンターナのドレスだそうです。

それからもうひとつのちなみには、フォンターナ姉妹に成功をもたらした、リンダとタイロン(1956年に離婚)の娘、ロミナ・パワーは女優、歌手としてイタリアで活躍したそうです。

そうそう、フォンターナ3姉妹のゾエとジョヴァンナは既に亡くなっていますが、ミコルは健在。98歳だそうです。
Andare oltre, fare di più. Per tutta la vita è stato questo il mio desiderio.
(もっと先へ、もっとたくさんのことを。生涯、これがわたしの望みでした)
これは、ミコル・フォンターナの言葉ですが、さすが何かをやり遂げる人の言うことは違うなあ、と感心することしきり。
わたしなんて、すぐに疲れて、「ああ早く終わりにしたい」と願ってしまう。
ここが違うんですね〜。心しようと思います。
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by arinko-s | 2011-06-22 22:16 | 映画 イタリア
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