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Si può fare 人生、ここにあり!

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舞台は1983年、ミラノ。
労働組合で働く熱血男ネッロ(Claudio Biscio クラウディオ・ビーショ)が左遷され、“協同組合180”にやってきました。
ここは元精神病院付属の施設。組合とは名ばかりの組織でした。

組合員たちは、「精神病院に閉じこめられている患者を地域に戻そう」という「バザリア法」に基づき、閉鎖された病院の元患者たち。
自由の身になったものの、引き取り手もなく行く当てもない元患者たちが生活する組合だったのです。

病室に閉じこめられてはいないというものの、組合員たちは未だに薬漬け。
「自由による治療を」という法の主旨とは、ほど遠い現実でした。
やる気もなく、目的もない組合員たちを見て、熱血漢のネッロが黙っているわけありません。
組合員たちに、きちんとお金を稼げる仕事をしたくないか? と持ちかけます。
そして、「床の木組み」を、組合の仕事に掲げました。

もちろん、そう簡単に事は進みません。
精神病疾患者への偏見も強いし、彼らもなかなか上手く仕事をこなせない。
ネッロは、ポケットマネーで資材を購入したり、自宅の改装を彼らにさせたり、あの手この手で組合員たちのモチベーションを高めていきます。
ある時、資材が足りなくなってしまった現場で、組合員は知恵を絞り、廃材を使って見事な星を床に描きました。
これがクライアントの気に入り、彼ら組合の評判は一気に広まります。
そして……

という実話を元にした映画です。
監督はGIulio Manfredonia(ジュリオ・マンフレドニア)。
2008年の映画です。
イタリアでは54週ものロングランヒットを記録したそうです。

日本だったら、もっとジメッとした映画になってもおかしくないようなテーマ。
でもマンフレドニア監督は、見事なコメディタッチの映画に仕上げています。
もう、こっちの映画も(明日のパスタはアルデンテと共に)大爆笑の連続でした。
途中、涙が出ちゃうような悲しい展開もあるんですけどね。

タイトルの Si può fare は「やればできるさ」の意味。
邦題の「人生、ここにあり!」よりも、原題そのままのほうが良かったのでは? って思っちゃいます。
やればできるぞ、ってことこそネッロが組合員たちに教えたかったことだと思うから。
良い言葉です、Si può fare!
by arinko-s | 2011-09-15 21:43 | 映画 イタリア
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