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本日のイタリア語

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LEZIONI DI VOLO フライトレッスン

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高校卒業試験に落第してしまった“Pollo(ポッローチキンのこと)”と親友の“Curry"。
ポッロはユダヤ人、カリーは幼い時にインドから養子にもらわれてイタリアにやってきた少年です。
いつも一緒にいる二人は、皆からポッロとカリーと呼ばれているのでした。

二人はカリーの故郷、インドへ旅することを決めました。
もちろん旅費は親持ち。贅沢なホテルで快適な時間を過ごすものの、一歩外に出ればそこはカオス。
雑多な町に辟易した二人は、「宮殿を見に行って、プールで泳げるホテルに移ろう」なんて決めたものの、荷物を全て持っていかれて、路上に放り出されてしまいます。
ホテルに助けを求めようとしたものの、外見の違いからカリーはホテルにも入れてもらえず。
二人は離ればなれになってしまいました。

不運は重なり、下痢と吐き気に襲われるポッロ。
そんな彼を助け、二人を引き合わせてくれたのが、産婦人科医のキアーラ(Giovanna Mezzogiorno ジョヴァンナ・メッツォジョルノ)でした。
キアーラはNPO団体のメンバーとして、医療活動に携わっています。
今まで何に対しても興味を持てずにいたポッロは、彼女と過ごすうちに次第にキアーラに惹かれていくのですが、実はキアーラには夫がいました。

一方、カリーはこの土地で自分のアイデンティティーを見つけていきます。
最初はその気もありませんでしたが、自分の育った施設を訪ねることを決意。
産みの母親に会ってみようと決めました。
ところが、その母親は既に他界してしまっていました。

というのが、簡単なあらすじです。
タイトルの『フライトレッスン』というのは、大人になるための、つまり巣立ちのためのレッスンということでしょうね。

英語でチキンといえば、臆病者のことですよね。
イタリア語でもポッロと人を呼んだら、それはいい意味ではありません。
お人好し、世間知らず、の蔑称です。
この映画のポッロくん、まさにそんなタイプを見事に演じています。
裕福な家に生まれて何ひとつ不自由のない生活をし、だからなのか、自分は何をすべきなのか何をしたらいいのかさっぱり見えない。見つける意思さえない。
いつも責任を人になすりつけて、うじうじ。
あ〜〜もう! ってじれったくなるようなタイプです。
その彼が、16歳も年上のキアーラと出会い、いろいろなことを自覚していく。
人のためにきびきびと働く彼女を見て、自分の情けなさを感じたんでしょうねぇ。
キアーラはカリーにも、厳しい言葉をびしびし浴びせます。
間違いなく彼らにフライトレッスンをしてあげたひとりは、キアーラです。

この映画のテーマのひとつでもある養子縁組ですが、実はイタリアは養子縁組大国。
それも国内の子どもを養子にするのは、手続きがより困難であることから、その多くは外国の子どもだそうです。
東欧の子が大半を占めるようですが、南米、アジア、アフリカからの子どもも少なくないとか。
もちろんイタリアでも人種差別はあると思いますが、養子に対する偏見は、日本とは比べ物にならないくらい少ないのは確かです。

おまけに、イタリアの出生率は徐々に上昇しているようですが、その上昇は移民のカップルによるというデータもあります。
生粋のイタリア人て、どんどん減っているのかもしれません。
それも時代の流れですね。

この映画は2006年の映画、監督はFrancesca Archibugi(フランチェスカ・アルギブージ)。
女性監督です。
強い女性の描き方とか、やっぱりどこか女性監督っぽい、と思いました。

それにしても、インドのシーンの後にローマが映ると、あの(!)ローマが整然として見えるから不思議です。
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by arinko-s | 2011-10-23 16:16 | 映画 イタリア
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