ブログトップ

本日のイタリア語

cucu2.exblog.jp

La meglio gioventù 輝ける青春

b0171200_19432944.jpg

2003年の映画。Marco Tullio Giordana(マルコ・トゥッリオ・ジョルダーナ)監督の作品です。

1966年の夏から2003年の春まで、ニコラ(Luigi Lo Cascio ルイージ・ロ・カーショ)とマッテオ(Alessio Boni アレッシオ・ボーニ)の兄弟を軸に描かれたある家族の物語。
それぞれ大学生活を謳歌し、お互いを尊重しあいながら行動を共にしていた2人の兄弟でしたが、マッテオが精神病院のボランティアでジョルジア(Jasmine Trinca ジャスミン・トリンカ 写真上)という少女に出会ったことで、2人の進む道が大きく変わっていきます。

病院でジョルジアが不当な扱いを受けていることに気づいたマッテオは、ジョルジアを病院から連れ出し、ニコラと共にジョルジアの父親の元に送り届けようとするのですが、これが失敗に終わってしまいます。
ジョルジアは警察官に捕まり、強制的に病院に戻されることになってしまったのです。
このことが、2人の心にそれぞれ深く陰を落とすようになるのです。

元々医学部に通っていたニコラは、故郷ローマを離れトリノ大学へ編入。精神科医を目指します。
一方マッテオは、大学を中退して入隊。兵役を終えた後は警察官になることを希望します。
ニコラは大学時代に人生のパートナーを見つけ娘を授かるものの、幸せは長くは続きません。妻はテロ組織に入り、その活動にのめり込んでいくのです。

一方、自分の意志を殺し組織に組み込まれることを望んだマッテオは、社会の闇の部分を目の当たりにし、いっそう絶望感を深めて行きます。一個人の力の限界を感じ、もがき苦しみます。
けれどもローマ市警に配属になり故郷に戻ったマッテオは、かつてシチリアのパレルモ勤務時代に出会ったミレッラ(Maya sansa マヤ・サンサ)と再会し笑顔を取り戻します。
ミレッラの押しの強さにマッテオの気持ちも傾いたかのように見えますが、なぜだかマッテオは深入りすることを避けるように。
そしてミレッラと大げんかした末に、マッテオは自らの死を選んでしまいました。

突然のマッテオの死に戸惑い悲しむ家族。
現実を受け入れられずにいたニコラでしたが、ある日マッテオの突き刺すような瞳と再会します。
かつてシチリアでミレッラが写したマッテオの写真です。
この写真が出展された写真展のポスターでした。

ニコラの病院に入院していたジョルジアは、その写真を撮ったカメラマンに会いに行くようニコラに強く迫ります。
ニコラはその言葉に背中を押され、シチリアへミレッラを訪ねます。
するとそこには……。

66年のフィレンツェの大洪水、68年の学生運動、70年代の「赤い旅団」、シチリアマフィアの台頭、92年のファルコーネ暗殺などなど、史実を交えながら進むストーリーは、まさにその時代のイタリアに身を置いていたような錯覚を抱かせてくれます。
その多くは、イタリアで出会った友人、知人が当時の様子を教えてくれたできごとです。
それが映像として写しだされ、まるで自分もその場にいたかのような、少なくともタイムリーにその事実に衝撃を受けてきたかのような、そんな気分になりました。
登場人物に共感して笑ったり、ほろっとしたり。と同時にイタリア現代史にもハラハラしたり興奮したりしちゃうわけです。
それぞれのできごとをテーマにして描かれたわけでなく、たまたまこの家族の物語の背景にそんなできごとがあったという描かれ方だからこそ、リアリティが感じられるのかもしれません。

実は「まだ観ていないの???」と驚かれ、慌てて手にした一本でした。
366分という長さに気後れしていたのです。
これを観るならばこの三連休しかないと一念発起。素直に観て良かったです。

長い歳月を追ったストーリーなので、もちろん谷あり山あり。切なくやるせないシーンも幾つもありました。
そんなこと言うなよ〜〜、と思わず口にしてしまったのは、大学の試験で優秀な成績を収めたニコラに、教授が「イタリアを捨ててよその国へ行きなさい」と助言するシーン。

L’Italia è un paese da distruggere.
Un posto bello, inutile, destinato morire.
イタリアは滅びゆく国だ。
美しい国だが、無益で、やがて絶える運命にあるんだ。

もちろんこの言葉の裏に、そのイタリアという国を愛する気持ちが秘められていることは充分伝わってくる映画なのですが、時期が時期だけに重たすぎる。ズシーンとのしかかってくるような台詞でした。

「イタリアは既に多くの偉人を輩出してしまったから、もう偉人を生む余力はないんだ」というイタリア人の友人の言葉を思いだしました。
いやいや、こんなに美しく人々を魅了してやまない国は多くありません。
滅びないようにがんばってくれ〜〜〜!!

b0171200_19402929.jpg

ニコラ(右)とマッテオ(左)
b0171200_19412769.jpg

さばさばと、そして強く生きるミレッラに共感。
[PR]
by arinko-s | 2011-12-24 19:42 | 映画 イタリア
<< C'è chi dic... La Madonnina sv... >>