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本日のイタリア語

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LE QUATTRO VOLTE  四つのいのち

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カラブリア(イタリア南部)の山間部で暮らす、山羊飼いの老人。
山羊を放牧しながら、いつも咳き込んでいて、とても具合が悪そうです。
そして間もなく、おじいさんは亡くなってしまいます。

お葬式の翌日、おじいさんのヤギが子どもを産みます。
その子ヤギは、放牧に出されると、あっという間に群れからはぐれてしまいます。
子ヤギは必死で仲間を探しますが、しまいに疲れ果て、モミの木の根本で寝てしまいました。

そのモミの大木は、村の祭りのために切り倒されます(子ヤギがどうなったのかは、わかりません)。
祭りが終わると、モミの木は細かく切られ、藁を積み粘度で固めた塚で焼かれ、炭に生まれ変わります。
そして村人たちに配られます。おそらく村人たちは、この炭を使って暖をとるのでしょう。

ただそれだけの、物語です。
特別なことは、何も描かれていません。
村人たちの日常です。

イタリア映画ですが、台詞はほぼゼロ。
効果音もBGMもありません。
聞こえるのは自然の音と、人間が生活の中で立てる音だけです。

もちろん、この映画に込められているのは、命は繋がっている、というメッセージなのでしょう。
そんなに素晴しいメッセージの込められた映画なのに、わたしにはこの映画の良さがよくわかりませんでした。

印象に残ったのは、咳に苦しむおじいさんが、教会のホコリを薬にしていることとか(もちろん、げっ! って思ってしまいました)
おじいさんの家の質素な様子とか、
昔ながらの炭焼きの製法とか、
できた炭を放った時に、他の炭とぶつかる、カランという美しい音とか、
犬を追い払う子どものかしこさとか、そんなことばかり。

ああでも、そんなにたくさん印象に残った場面があるということは、それなりに良かったということかもしれません。
でもでも正直、時間が止まってしまったかのような生活の、その静けさは、退屈なほど。
途中、何度も挫折しそうになりながらも、負けてはならぬ、と我慢比べのように見終えました。

監督はMichelangelo Frammartino(ミケランジェロ・フランマルティーノ)。
2010年の映画です。
寝不足の時に観るのは、賢明ではないかも。
by arinko-s | 2012-02-09 18:21 | 映画 イタリア
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