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本日のイタリア語

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Un giorno perfetto 完璧な一日

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エンマ(イサベッラ・フェッラーリ)と、夫のアントニオ(ヴァレリオ・マスタンドレア)が別居を始めて一年。
エンマは子ども2人を連れて、母親の元へ戻り、新しい生活に必死です。
けれどもアントニオは、未だにエンマをあきらめきれず、家族揃って暮らしていた家を去ることもできず、ストーカーのようにエンマをつけ回しています。

ある日、エンマは深夜を回ったころ、アントニオがアパートの下から部屋を眺めていることに気づきます。不愉快な思いで朝を迎えることになるのですが、まさにその日、仕事先で首を切られてしまう。
おまけに会社を出てみれば、アントニオが待ちぶせしています。
話をしたいと迫られ車に乗ったものの、結局暴力をふられ、逃げるように町に戻ってきました。

さらに夕方、母親から「子どもたちはアントニオの家に行った」と知らされ、パニックになって後を追います。
そんな最悪の一日の締めくくりに、衝撃的な事件が、アントニオの手によって引き起こされる……。

いやはや、これが「完璧な一日」とは。

物語は、複雑な人間関係が絡み合いながら進んでいくのですが、何の脈絡もなく次々に色いろな人が登場するので、なかなか互いの関係を把握できません。

アントニオは政治家の護衛をしていて、その政治家はどうやら収賄容疑で捕まりそうになっている。
そしてその政治家の前妻は、精神的に追いつめられ自殺してしまい、彼は若い女性と再婚している。
政治家には年の離れた子どもが2人。前妻との間にできた息子は、大学の試験でぎりぎりの成績しかもらえない。成績をつけてもらえたことは、政治家の息子だからだということで、そのことが余計に彼を苦しめている。そして父親の再婚相手に恋している。
まだ幼い、おそらく後妻との間にできた子どもは、エンマの息子の同級生。2人(小学生)は、結婚の約束をしている。
そして、この政治家一家とは別に、どうやら苦しい恋をしているらしき女性が出てきて、その人はエンマの長女の担任で……

と、短時間でたくさんの人が登場。そのみんながどこかでつながっているのですが、その関係はさらっと触れられているだけ。
同名の小説が原作なのですが、どうも無理して2時間の中にストーリーを押しこんでしまった感が否めません。
それぞれの関係をもっときっちり教えてくれたら、ひょっとして「完璧な一日」の意味がわかるかもしれません。
これだけの人たちが、互いに接触を持ったという意味で、完璧な一日? 
それとも、それぞれ苦しみに決着をつけた日という意味で、完璧な一日?
いや、それだとエンマはこれからも苦しみつづけることになるだろうから違う。
何度も、この映画の意味を頭の中で反芻してみるのですが、わたしには理解できず。
どこにも救いを見つけられない一本でした。

監督は『mine vaganti』のFerzan Ozpetek。
2008年の映画です。

余談ですが、この映画を観た翌日、いつも愛用している紅茶屋さんから試飲用のお茶が送られてきました。
入っていたのは「C'EST PARFAIT!」という名前のお茶。
そして「『セ パフェ(完璧)!』な一日のためのお茶」と書かれていました。
う〜〜ん、飲む気になれない!

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夫を演じているヴァレリオ・マスタンドレアは、『Tutta la vita davanti』や『La prima cosa bella』とは、まったく違う顔でした。
この映画では、見事に執拗な夫を演じていて。
俳優さんてすごいですね。
by arinko-s | 2012-08-19 22:27 | 本日のイタリア語
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