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本日のイタリア語

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カテゴリ:映画 ヨーロッパ( 6 )

最強のふたり

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昨日、突然時間が空いたので、久々に映画館へ。レディースデーだったしね。

予想以上のおもしろさでした。
最初から最後まで笑いっぱなし。でもって、なぜだかうるうるしっぱなしでした。

今さらここで語るまでもないのだけれど、ひとつだけ。
四肢不自由な大富豪のフィリップの介護をしていたスラム街育ちのドリスですが、
後半、彼の血のつながらない弟が、フィリップの豪邸にドリスを訪ねてくるシーンがあります。
その晩、ドリスが自分の生い立ちをフィリップに打ち明けると、突然フィリップが「これは君の一生の仕事ではない」とドリスに事実上の解雇を言い渡しました。

あまりにも急な展開に、どうしても理解できず。
どういうことなんだろう?? ここにいないで家庭の問題を解決してきなさい、ということなんでしょうか?
きっとここには、日本語字幕では書ききれなかったフランス社会が描かれているはず。

まあ、その他にもフランスのこともっと知っていたら、もっと楽しめたはず(理解できたはず)という場面がいくつもありました。
でも、それでも充分。
フィリップが、本当に幸せそうに微笑むから、こっちまで嬉しくなっちゃうのかな。
何よりドリスが、フィリップ以上に楽しんでいることが伝わってくるから良いんだね。

パリのイメージって、イタリアと比べてしまうからなのか、あのフランス語のせいなのか、どうしても「どんより」って感じなんです。
この映画も舞台が冬なので、思いきりどんよりした風景満載ですが、ドリスの弾ける笑顔で、ちょっとフランスのイメージが変わりました。
ドリス役のオマール・スイ、かっこ良し。彼の他の映画が観たくなります。
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by arinko-s | 2012-09-27 15:51 | 映画 ヨーロッパ

幸せの経済学

友人に教えてもらった映画『幸せの経済学』を観てきました。

豊かさを測る指標として使われる「GNP(国民総生産)」や「GDP(国内総生産)」。
この考え方の根底にあるのが、グローバリゼーションの流れ。
多国籍企業や大企業により、世界の様々な地域が「開発」され、「消費社会」へと転身させてしまう。
その結果、伝統的な暮らしが崩壊し、それまでにはなかった貧富の格差が生まれます。
確かに地球の多くの国で、便利で快適な生活ができるようになったかもしれません。
でも、本当にそれでいいの? 本当の豊かさって何?
本当の豊かさは、ローカリゼーションにこそあるんです。

と、いうことをわかりやすく教えてくれる映画です。

いくらたくさんのモノに囲まれて暮らしても、欲しかったものをどれほど手に入れても、それが本当の幸せにつながるかはわからない、ということ。
モノでは幸福度は計れないというか。そういうことだと解釈しました。

スローライフ、スローフード。
もう何年もいわれていることだけれど、やっぱりそこに幸福はあるのだということも再認識。
それを実践することは、とても難しいことだと思うけれど、できることは心がけて。
そうですね、まずは地元野菜をせっせと買おうと思います。
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by arinko-s | 2011-06-23 21:42 | 映画 ヨーロッパ

「コーラス」と「画家と庭師とカンパーニュ」と「イブラヒム伯父さんとコーランの花たち」

フランス映画を立て続けに3本。
フランス語の達人でもある恩師のお見舞いに、何かフランス映画のDVDを送ろうと思って、
あれこれ探しているからなのですが。

劇場で見逃したこの3本、期待通りにどれも良かった。
中でも私は『画家と庭師と…』が好きでした。
いや、イブラヒムおじさん役のオマー・シャリフもとっても素敵だったし、
少年たちの歌声にはうっとりしちゃいました。
甲乙つけがたい3本かもしれません。

どれも、人と人との関わりが暖かく描かれていて、
それでいて、行き場のない人間臭い思いもあったり、
しかも素晴らしく美しい情景!

でもどれも「死」が出てきてしまう。
それではダメなんです。お見舞いですから。

あ〜、何か誰も死なない素敵なフランス映画ってないでしょうか?
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by arinko-s | 2009-09-24 15:35 | 映画 ヨーロッパ

縞模様のパジャマの少年

あと少しで上映終了と知り、慌てて見に行ってきました。

「縞模様のパジャマ」とは、ナチスの強制収容所に収容された人たちが着せられている収容服です。
主人公のブルーノは、ナチス高官の父親の転勤に伴い、
ベルリンから収容所のある片田舎に引っ越してきました。

友だちとお別れしなくてはならなかったばかりか、
この田舎には子どもなんか誰もいません。
子どもと言えば、自室の窓から遠くに見える農場にいる子たちだけ。

もちろん、それは農場なんかではありません。収容所です。
両親にその子どもたちや農場のことを訊ねても、はっきりとは返事をしてくれません。
ただ、「その子たちと遊んではいけない」と禁止されるだけです。

ブルーノはある日、言いつけを破り探検に繰り出します。
裏庭を抜けて窓から見た農場(収容所)へ行ってみたのです。
そして、有刺鉄線越しに一人の少年と出会います。
少年の名はシュムエル。
やっと出会った子どもです。
ブルーノは無邪気に、毎日のように彼を訪ねるようになりました。
そして二人の間には、不思議な友情が芽生えていくのです。

しかし、ブルーノは再び引っ越すことになってしまう。
シュムエルとの別れを悲しむブルーノは、シュムエルの為に一役買おうと決心しました。
そして、お別れの当日……。

衝撃の結末です。
実は原作を既に読んでいるので、その結末を知っていたにもかかわらず、
涙がポロポロこぼれてしまいました。
BGMの迫力と、その後の静けさ。
映画ならではの演出でした。

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イタリアでは、とあるネット書店でもう2年近くこの本が、児童書部門の1位に輝いています。
最初、ジョン・ボインという作家も知らなくて(アイルランドの作家です)、
いったいこの本はどんな本なのだろう、とずっと興味津々でした。
ちょうど一年前、やっと日本語の翻訳本が出て、さっそく手に取ったのでした。

映画と原作の大きな違いは、
原作の方が、ブルーノの無邪気さがもっと強調されていること。
その点が映画ではさらっと描かれていて、そこは原作の方が結末への流れに説得力があるように思いました。

強く感じたことは、
子どもにきちんと説明できないようなことを、大人はしてはいけない、ということ。
そして、子どもから子どもの世界を奪ってはいけない、ということ。
肝に銘じなくては。

ちなみに、日本でこの映画はPG−12指定です。
そして、この本は今年の高校生の課題図書。
イタリアの児童書部門でトップをぶっちぎっていることを考えると、
イタリア人と日本人の意識の差が伺えます。
私は4年生の息子に読み聞かせちゃいましたけど。
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by arinko-s | 2009-09-16 19:17 | 映画 ヨーロッパ

マルタのやさしい刺繍

最近時間がなくて、ちっとも映画館に足を運べていません。
この『マルタのやさしい刺繍』も行かなきゃ行かなきゃと思っているうちに上映が終了してしまった一本。やっとDVDで見ることができました。

舞台はスイスのエレメンタル地方の小さな村。
伝統を大切にするこの村の人たちは、とても閉鎖的。
新しい空気を望みません。

この村に暮らす80歳のマルタは、8ヶ月前に亡くなった夫を思い出してはため息をつく日々を過ごしていました。
しかし、ひょんなことから昔抱いていた夢を思い出します。
それは、自分で作った手作りのランジェリーブティックを持つこと。
そして、夢に向かって歩き出しました。

そして、やっとブティックをオープン。
しかし保守的な村の人たちは冷ややかな反応を見せるだけでした。
でも、マルタは負けません。
友人たちの協力で、今度はネットショップをオープン。
思いもよらぬ反応を得て、嬉しい悲鳴をあげるのです。
そして村の人たちの反応も少しずつ肯定的になっていきました。

というあらすじ。
とにかく、マルタがかわいい!!
とくに「ランジェリーブティック」と、口を尖らせて言うしぐさがかわいい!
この映画を見たら、絶対マルタのファンになること請け合いです。
暗く沈んだ毎日のマルタでしたが、自信がついていくに従って、表情がどんどん明るくなる。
息子にも嫌みたっぷりのオヤジにも、有無を言わせないような強さを見せるようになるのです。

こんなにかわいいおばあちゃんになれるなら、年をとるのも悪くないな、と思いました。
私も、若いころの夢は捨てずに取っておこうと思いました。
ホント、お勧めの一本です。
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by arinko-s | 2009-09-07 18:28 | 映画 ヨーロッパ

善き人のためのソナタ

旧東ドイツのシュタージ(国家保安省)職員ヴィースラー大尉は、
劇作家ドライマンを監視する任務を与えられる。
国に忠実なヴィースラーはさっそくドライマンの自宅に盗聴器をしかけ、
24時間態勢で、彼を監視し始める。

ある日、盗聴器から聞こえてきた“善き人のためのソナタ”というピアノ曲。
「この曲を本気で聴いたものは、悪人にはなれない」という
ドライマンの言葉が胸にささった。

その日を境に、ヴィースラーは嘘の報告を書き始める。
ドライマンが、東の自殺者の実態を暴く記事を西の雑誌に掲載しようと
模索していることを知っても、黙認し続けた。

そして、ドライマンの記事が匿名で西の雑誌に掲載されると、
その筆者探しが国家によって始まる。
ヴィースラーは、証拠品のタイプライターをドライマンの自宅から
持ち出し、証拠隠滅まで計るのだった。

結果、閑職に追いやられたヴィースラーだったが、数年後にベルリンの壁は崩壊。
それから数年して、ドライマンは当時自分を庇護してくれていたシュタージがいること知る。
そのシュタージへ捧げるために、一冊の本『善き人のためのソナタ』を書き上げるのだった。

心に静かな余韻を残してくれる映画でした。
ヴィースラーの気持ちの変化は、どこから来たのか?
誇りを持っていたはずの自分の職ですが、ドライマンの人間的な生活を盗聴するうちに、
バカらしくなったのかもしれません。
人間としてあたり前のことが許されない日常が、いかに心を貧しくするものかを、
芸術家であるドライマンから改めて教えられたのかもしれません。

東ドイツというと、いつも思い出すことがあります。
イタリアに渡ってまず通った語学学校からあてがわれた部屋を出る前日、
東ドイツ出身の女の子二人がやってきました。
もちろん、その時にはドイツは統一されていましたが。

まだ私のイタリア語は片言で、もちろんあちらも片言。
英語は、といえば彼女たちは英語教育を受けていない。
当時はロシア語が必修だったのですね。
私はロシア語を知りません。

もう、じれったいのだけれど、聞きたいことがたくさんあって、
片言ながら、辞書を駆使して東ドイツの話をあれこれ聞かせてもらいました。

ベルリンの壁が崩れた時、彼女たちはまだ子どもで、
「これでロシアの海がなくなる、と思った」そうです。
東ベルリンはロシアの海に囲まれた町、と呼ばれていたのだとか。
「壁の向こう側に渡って、本当にバナナを食べた?」
ニュースの映像が鮮烈に頭に残っていた私は、思わず聞いてみました。
「もちろん!」
バナナって、とても高価で手の届かない果物だったそうです。
たった一晩だけの彼女たちとの交流が、すごく懐かしく思い出されるのです。

この映画で、ドイツ政府はシュタージの記録を公開していることを知りました。
第二次世界大戦のこともそうだけれど、
ドイツ政府のこういう対応って、すごいなあと感心してしまいます。
やったことは汚点も隠さずさらけ出し、過去を反省するというか。
なかなかできることではないと、自国の政府を見て思います。
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by arinko-s | 2009-04-19 16:56 | 映画 ヨーロッパ