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本日のイタリア語

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La prima cosa bella

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イタリア語の先生、ダニエーレが「去年発表されたイタリア映画のなかで、まちがいなく一番素晴しい一本」と大絶賛。
イタリアのアカデミー賞といわれる〈デヴィッド・ディ・ドナテッロ賞〉や、イタリア映画記者組合が選出する〈銀のリボン賞〉で、各部門にノミネートされた映画です。
〈銀のリボン賞〉では、監督のパオロ・ヴィルツィが最優秀監督賞を受賞しています。

ミラノで高校教師をしているブルーノ(写真右の少年が大人になってから)は、仕事もプライベートも、イマイチさえない毎日。
ある日、故郷リヴォルノから妹ヴァレリアが迎えにやってきます。
二人の母アンナは、がんの末期症状で、いよいよ最期も近いとわかってのことでした。
けれどもブルーノは、どうにか逃げようとする始末。
その理由は、回想シーンで徐々に明かされていきます。

ことの発端は、1971年。夏のお祭りで「ミス・マンマ」のコンテストに、アンナがかり出されたことに始まります。
アンナは、見事優勝。しかし、それを手放しで喜ぶのは、妹のヴァレリアだけでした。
よその男性にちやほやされる妻に嫉妬した夫は、アンナに手をあげ、アンナは子ども二人を抱えて家を出て行きます。

運良く、映画の関係者と出会い、映画のちょい役をもらったアンナでしたが、子ども二人は夫に連れていかれてしまいます。
しばらく経って、どうにか子どもたちを取りもどしたものの、彼女の天真爛漫さがあだになり、思春期を迎えた息子のブルーノは次第に心を閉ざし、母親から離れていってしまったのでした。

久しぶりに会ったアンナは、死期が迫っているがん患者とは思えないほど、ただひたすら明るく毎日を過ごしています。
そして、この数十年間ずっと自分を思いつづけてくれていた階下に住むロレダーノと結婚することにした、とブルーノに明かします。
病院のホスピスを出て、自宅に戻り、家族たちに見守られるなか、自宅のベッドに寝たまま結婚式を挙げたアンナ。
けれども、その同じ日、帰らぬ人となってしまいました。

若かりし日のアンナを演じているMicaela Ramazzotti(ミカエラ・ラマッツォッティ、写真中央、監督のパオロ・ヴィルツィの妻でもあります)は、この映画で〈ドナテッロ賞〉、〈銀のリボン賞〉共に最優秀女優賞を受賞しています。

でも、わたしは断然年をとってからのアンナを演じているStefania Sandrelli(ステファニア・サンドレッリ)の方が好きでした。
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むすっとしているいい年した息子に甘えるしぐさも、自分のことをずっと好きでいてくれた夫をからかうしぐさも、う〜ん、かわいい! 
アンナの明るさは、この女優さんの素顔なんじゃないかと思えるほど。
こんなふうに年を重ねられたら、こんなふうに強く明るく毎日を過ごせたら、とアンナに励まされるような一本でした。

タイトルのLa prima cosa bella(ラ・プリマ・コーザ・ベッラ「人生が初めてくれた美しいもの」)は1970年イタリアで大ヒットした曲からつけられているそうです。
アンナが雨のなか、子ども二人を抱えて家を出て行った日、バスの中、三人で合唱するシーンが印象的です。
最後のシーンでは、ベッドの中、両脇に二人の子どもを抱えて、またこの歌を合唱するのですが、思わず涙うるうるです。

映画にあわせ、Malika Ayaneという女性がカバーしています。
このカバーがすっごくいいです。
お時間のあるとき、聞いてみてください。こちら
映画のシーンも幾つか流れます。
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by arinko-s | 2011-02-27 18:15 | 映画 イタリア

CHIEDIMI CHI SONO

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久しぶりの読書記録です。
著者は、Anna Lavatelli(アンナ・ラヴァテッリ)とAnna Vivarelli(アンナ・ヴィヴァレッリ)。多くの共著を出している二人の一冊です。

物語は、山道を急ぐ若者が、何者かに襲われるところから始まります。
襲った方は、若者の身分証明書やこれから行く先で渡すことになっていただろう紹介状などを奪って、若者を崖から突き落としました。


となにやら、とってもミステリアス。おまけにこの表紙です。
これは、ミステリーに違いないと確信。わくわくしながら、先を急ぎました。

舞台は、1758年の早春、イタリア北部にある町、ヴィジェーヴァノ。
サポリーティ伯爵家は、ひとり息子フィリベルトの結婚に向け、浮き足立っていました。
フィリベルトは、これからシチリア島のパレルモに住むクトー男爵のひとり娘、エレオノーラと正式に婚約を交わすため、パレルモへと旅立つことになっていました。
しかしまだ精神的に幼いフィリベルトは、婚約者のことよりも、道中にどんな冒険が待ち受けているのか、そのことが楽しみでしかたありません。結婚に関しては、むしろ消極的でした。


そうです、そうです、まだイタリアという国ができる前の物語。
シチリアとヴィジェーヴァノなんて、文化も言葉もまったく違う外国だった時代の物語なわけです。

息子を送り出す伯爵夫妻にしても、息子フィリベルトにとっても、道中どんなことが起こるのか、まったく想像もつきません。
伯爵夫人は息子が無事にパレルモへたどり着けるよう、また様々な見聞を広げられるよう画策します。
そこで選んだ旅の同行者は、
フィリベルトの家庭教師であり高位聖職者でもあるジェンティーニ、
美術ガイド役オットニエーロ、
薬草の専門家であるトンマーゾ修道士、
剣の達人ストッパーニ、
司書のタルジーノ修道士、
フィリベルトの幼なじみであり、伯爵家の使用人でもあるディオニージ、
一行の引率者として、兵士としての経験豊かなルーチョと、そのお供数名。
と、大所帯での旅が始まります。

フィリベルトとディオニージは主従の関係を超え、固い友情で結ばれています。
ディオニージは幼い頃から、伯爵夫妻の好意により、フィリベルトと共に多くのことを学ばせてもらってきました。
勉強嫌いのフィリベルトとは対照的に、ディオニージは好奇心旺盛で知識欲の高い青年。
家庭教師のジェンティーニは、彼の利発さにいつも関心させられていました。

そのころ、パレルモの名家であるブテーラ家のグイスカルド公は、クトー家を内偵させるために手下をクトー家に送りこんでいました。
実はグイスカルド公は、息子のコッラディーノの嫁にと、クトー家にエレオノーラと息子の結婚を申しこんでいたのです。
しかし賭けごとのために領地を切り売りしているグイスカルド公の噂は、クトー男爵の耳にも届いていました。
エレオノーラの結婚持参金もグイスカルド公の賭け代に消えてしまうだろうことを想像したクトー男爵は、グイスカルド公の申し出を断りました。
しかし、そのまま引きさがるグイスカルド公ではありません。
グイスカルド公は復讐の時を狙い、クトー家を内偵させているのです。


とくれば、冒頭部分の若者を襲った悪者は、グイスカルド公の手下だったに違いありません。
伯爵夫人が息子のために採用した誰かを装って、何くわぬ顔をして旅の一行に加わったのです。

さてさて、一行はパルマに立寄り、フィレンツェを目指す途中、盗賊に襲われてしまいます。
ルーチョが私用で一行と離れた隙のできごとでした。
しばらく、盗賊のアジトで過ごすことになった一行でしたが、この間、ディオニージは盗賊の頭の娘、ロザウラと恋に落ちます。


う〜ん、どうもミステリーから離れてきました。

ルーチョが盗賊のアジトを突きとめ、一行を助け出し、身代金等についても解決。
一行は先を急ぎます。パレルモのクトー男爵との約束の期日までに、パレルモに着かなくてはなりません。
フィレンツェを見学する予定はすべてキャンセル、ローマでは食中毒騒動、ナポリから乗った船では船酔い、と紆余曲折しながらもどうにかパレルモへ到着。
結婚なんて……と無関心を装っていたフィリベルトは、婚約者エレオノーラを見た途端、まさに一目惚れ。
盗賊の娘ロザウロに迎えに行くと約束していたディオニージは、これでフィリベルトも快く二人の結婚を了承してくれるに違いないと胸をなでおろし、すべて丸く治まりかけたところで、最後の事件が起こります。


男爵家には、太陽の光に当たることのできないひとり息子マンフレディがいました。
マンフレディはいつも日光を遮断した暗い部屋に閉じこもり暮らしています。
実は、グイスカルド公が狙っていたのはこのマンフレディの命でした。そのことに気づいたルーチョは、マンフレディに成りすまし、彼のベッドに潜って敵を待ちました。
まず、本物のオットニエーロを襲って、オットニエーロを装い、旅に同行した男が襲ってくるのですが、これは無事に倒します。
しかしその直後、既に男爵家の召使いとして働いていたグイスカルド公の手下が、ルーチョに襲いかかり、ルーチョは命を落としてしまいました。
そのおかげで、マンフレディの命は助かります。
旅は無事に終わり、時が過ぎ、ロザウラとの子どもを待つディオニージからの手紙を、家庭教師のジェンティーニが受けとり、物語は終わりです。


まず、タイトルですが、原題を直訳すると『わたしが誰だか、このわたしに聞きなさい』。
てっきり、冒頭部分で若者を襲った何者かの挑戦的な発言だと思っていました。
そしたら、この言葉、ディオニージがロザウラに書いたラブレターの一文。
この旅ですっかり成長し、大人になった自分をアピールしての言葉でした!
でも、この表紙の顔、どう見ても女の子だし、何だかやっぱり主題は恋愛?

まずここでがっかり。
そして、この18世紀のわざわざ美術ガイドまでつけての長旅。
ある意味、18世紀のイタリアガイドになっているのでは? という期待も見事に裏切られ……
だって、フィレンツェもローマもナポリもろくに見学しないんだもの。

グイスカルド公のクトー男爵への復讐も、いまひとつ。
これだったら、なにも旅の最初から手下を潜入させることなかったんじゃないの?
という不満がたくさん残る一冊でした。

イタリアの、わくわくするようなミステリーと出会いたいものです(涙)。
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by arinko-s | 2011-02-23 21:52 | 読書 イタリア語

ミラノ・マルペンサ空港と中央駅のニュース

21日の朝、マルペンサ空港国際線出発ロービーのガラスに車が突っ込むという事故があったそうです。
一時、出発ロビーは閉鎖され、警察が乗車していた男に発砲するという騒ぎになったとか。
ただの、事故ならいいですが……

もうひとつ、おもしろい記事がありました。
ミラノの中央駅のニュース。
ミラノ中央駅といえば、一昔前は犯罪の宝庫でしたが、今は鳩の楽園と化しているそうで、
この鳩の羽や糞にほとほと悩んだ駅長のとった策はというと……

毎夜、駅舎内に寝床を求めて戻ってくる鳩を追い出すために、
ノスリ(タカ目タカ科の猛禽類)を放つことにしたんだそうです。
ノスリを操る鷹匠たちは、自分のノスリを連れてカラブリアからやってきたそうです。

鷹匠に命令され飛び立ったノスリたちは、寝ている鳩たちを急襲し、つつき、脅えさせ、そして駅舎から追い出すのだとか。
労働時間は、午前1時から4時まで。
これだけ働かされて、ノスリたちは、くたくたになるそうです。

追い出された鳩たちは、どこに行くのでしょう?
駅前広場? ドゥオーモ広場?
根本的な解決にはつながらない気もしますが、これってすごくイタリア的発想?
それにしても、イタリアの鳩は、超のつくくらい低空飛行するので、ホント怖いです。

(Corriere della Sera 2月18日付けの記事より)
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by arinko-s | 2011-02-21 21:04 | 本日のイタリア語

N IO E NAPOLEONE

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イタリア語の授業で、Paolo Virzi(パオロ・ヴィルツィ)監督の映画を見たので(その映画については、また改めて書くつもり)、
見逃していたヴィルツィの映画を見てみました。

舞台は1814年、フランス帝国を追放されたナポレオンが、トスカーナ州のエルバ島に送られてきます。
かねがねナポレオンを忌み嫌っていた、島の文学青年、マルティーノ。
英雄到来にざわめく子どもたちに、自分の主義主張をおしつけたと、小学校教師の職を追われてしまいました。
けれどもタイミング良く、ナポレオンの司書兼記録係として、市長の推薦を受け、マルティーノが採用されます。
マルティーノは、これこそ運命と信じます。
ナポレオンを暗殺する機会を、見計らうようになるのです。

けれども、戦いに疲れ、肉体の限界や老いを自分のなかに感じ始めているナポレオンは、想像していたよりもずっと人間味にあふれた人物でした。
マルティーノは次第に、そんなナポレオンに親近感を覚えるようになります。

またマルティーノは、ナポリの老貴族の妻であるエミリアがエルバ島へやってくるたびに、情事を重ねています。
けれどもある日、エミリアはマルティーノに別れを告げます。
エルバ島の屋敷は売ることになり、二度とエルバ島へは来ないと。

ときを同じくして、マルティーノの恩師であり、反ナポレオン主義を唱えていたフォンタネッリが、ナポレオンの屋敷に武器を持って押し入ります。
あえなく逮捕されたフォンタネッリは、処刑されてしまいました。

ナポレオンはマルティーノに「もう流血はたくさんだ。彼に罰を与える気はない」と約束していました。
裏切られたと感じたマルティーノは、恩師の遺志を継ぎ自分の手でナポレオンの暗殺を実行することを決意。
寝ているナポレオンを襲います。
しかし、時既に遅し。
ナポレオンはエミリアを愛人として従え、エルバ島を脱出していたのでした。

というのが、あらすじ。
ナポレオン役のダニエル・オートゥイユ、どこかで見たことがある、と思いながら観ていましたが、
『画家と庭師とカンパーニュ』の画家役の役者さんでした!
この映画では、見事に弱々しくなったナポレオンを演じています。

確か、歴史の教科書では、「ナポレオンはエルバ島に流刑された」と書かれていたような記憶があるのですが…… 。
勝手に、ナポレオンはとても惨めな生活を送らされていたものと、思い込んでいました。
でも実際は、「年額補助200万フラン。皇帝の称号を保持し、400人の近衛兵を保有する」という緩やかな条件の下での島流しだったのですね。まったく知りませんでした。

トスカーナ州の観光サイトによれば、エルバ島でのナポレオンは、道路を整備し、行政を取り締まり、島民の健康や精神にまで気を配り、島を去るまでの9ヶ月間、島民との間に深い絆を築いたそうです。
今でも島のミゼルコルディア教会では、毎年5月5日(ナポレオンの命日)に、ナポレオンの島での業績を称えるミサを行うそうです。

個人的には、とても楽しめた一本でした。
ただし、最後のシーンは???
マルティーノは、マエストロの墓前に、ナポレオンを暗殺しようと持ち歩いていた懐かしのピストルを埋めます。
そして一度は帰ろうとしたものの、突然墓前に戻ってきて、土を掘り起こしピストルを手にするとほほえみます。
そして流れるテロップ。
「やはり暗殺計画を実行しようとしてセント=ヘレナ島へ向かったマルティーノ。しかし、セント=ヘレナにたどり着くのが遅すぎた。それは1821年5月6日のことだった」
つまり、ナポレオンは5月5日に亡くなっているので、間に合わなかった、ということなのですが、このシーンはいるのかなあ。

いや、それより疑問なのは、邦題!!
調べてみたら、「ナポレオンの愛人」と題され(そうそう、原題を直訳すると「N ぼくとナポレオン」です)、
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こんな、カバーに変えられていました。
そりゃ、エミリア役のモニカ・ベルッチは、最後にナポレオンの愛人になって一緒にエルバ島を脱出するけれども、
映画の主題とタイトルがあまりにもかけ離れています。
日本でも名が知られているモニカ・ベルッチの名を借りて売ろうとした商売根性が見え見えで、それが逆に商業的に成功しなかった原因だとしか思えません。

このタイトルと、ジャケットにだまされず、皆さん、ぜひ見てみてください(ネタばらしちゃったけど)!
わたしは、原作の小説、エルネスト・フェッレーロの「N」を読んでみたいと思います。
そして、次回イタリア旅行は、エルバ島を目指します(いつ実現するかまったく未定ではありますが)! 
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by arinko-s | 2011-02-20 16:58 | 映画 イタリア

どうやってるの?

イタリア語とはまったく関係ありませんが、
今日のLa Repubblicaにアップされていた動画です。

エッシャーの階段を、立体化してみせたこの青年はドイツの学生だそうです。
何度見ても、不思議!
いったい、どうやっているんでしょう。
まだ、謎を明かす気配はないそうです。
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by arinko-s | 2011-02-18 18:32 | 本日のイタリア語

ほろにがい色の器展

昨年末から、たてつづけに幾つもマグカップを欠いてしまうという悲劇にあい(自分で起こした悲劇ですが)、ずっとカップを探しつづけていました。

パソコンとにらめっこしている間、いつも傍らには紅茶かカフェオレ、時々ココア。
一日に何杯飲むか、わかりません。
いちいちカップを洗うのはめんどうなので、夕方流しのなかには、カップが幾つもがたまっています。
だからカップはいくつあっても困りません。

条件はたっぷり入ること。
これがなかなか。小さめのカップで、素敵なのはみつかるんですけどねえ。
それから、もちろん自分の好みであること。
器にはちょっとうるさいです。

今、会期中の「ほろ苦い色の器」展。
ひょっとしたら好みのカップと出会えるかもと期待して、立川にあるH.WORKSさんへ行ってきました。

素敵な器はもちろんたくさんあったのですが、残念ながらお目当てのカップが……。
ひとつもありません。

でもあきらめきれず、しつこくオーナーの園部さんに聞いてみると、常設のカップを、奥からいくつか出してくださりました。
その中のひとつがこれ。
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石田誠さんのカップ。
ころんとした丸っこいフォルムに一目惚れです。
おいしそうなクリーム色も気に入りました。
帰宅して、さっそくカフェオレ入れて飲みました。
明日から活躍してくれそうです。

ちなみに石田誠さんの器を使うのは初めて。
以前からこのクリーム色の器がとても気になっていたので、嬉しいです。
3月19日から、H.WORKSさんで個展も行われるそうです。
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by arinko-s | 2011-02-09 22:02

ベルルスコーニ首相とムバラク大統領の意外な関係?

エジプトのデモが長期化しているニュースは、連日報道されているところ。
そのニュースの陰に隠れてしまっていますが、イタリアでもベルルスコーニ退陣要求の動きが日増しに活発化しています。
4日には、イタリアの文化人たちを筆頭に、9千人もの人が集まる集会がミラノで行われたそう。
その中で、ウンベルト・エーコ(『薔薇の名前』『フーコの振り子』の著者)の皮肉を交えた演説が話題になっていました。

それは、今窮地に立たされているムバラク大統領を持ち出したもの。
「ムバラク大統領のかわいい姪っ子をベルルスコーニもかわいがってるっていうことは我々も知っていたけれど、辞めたがらないところも同じなんだな」と。

ムバラクの姪っ子? って思いますよねぇ。
実は、ベルルスコーニは売春疑惑のお相手の少女に口止め料として500万ユーロを払った疑いがもたれているだけでなく、この少女が昨年5月に補導された際、釈放するよう口ききをしたことも問題になっているのです。
そのときベルルスコーニは警察に対して
「その女の子はねえ、エジプトのムバラク大統領の姪っ子なんだよ」といったとか。
もちろんムバラク大統領が、そんな少女のことを知る由もなく…。
一国の首相が、こんな調べればすぐにばれるような嘘をついていたら、大問題ですよねえ。それも私的な理由で。

今やエーコにとって「ベルルスコーニに辞職を求めることは、名誉を守ること」だそうです。
でも、ベルルスコーニも辞職する気はさらさらなさそうです。
図太くなければ、政治家になんてなれないですね〜。
(La Repubblica 2月5日付けの記事より)
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by arinko-s | 2011-02-06 13:58 | 本日のイタリア語

イタリアンライフのイコンといえば

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ヌテッラの製造元フェッレーロ社を、アメリカ人の4歳の男の子の母親が訴えたそうです。
理由は「ヌテッラのせいで、息子が肥満児になってしまったじゃないの。『ヌテッラがあれば、理想の朝食』っていう広告は嘘!!」ということらしいです。

これに対し「今までにも、何度もそんないちゃもんをつけられていますから」と、フェッレーロ社側は、まったく意に介さない様子。
「ヌテッラをぬったパンを一切れ、それに牛乳とフルーツをプラスすれば、バランスのとれた理想的な朝食」というのが、ヌテッラのCMのコピーですが、これはプロの栄養士さんのお墨つきだそうです。
「もうずっと前から食品市場に君臨するイタリアンライフのイコン、この世界で一番知られたチョコレートスプレッドの名に傷をつけたいだけでしょうね」と、動じる様子はみじんもありません。

イタリアンライフのイコン! そうかもしれません。
映画やドラマ、本の中にもしばしば「ヌテッラ」は登場します。
ほ〜んと、よく出てきます。

実は『赤ちゃんは魔女』のなかにも「ヌテッラ」が出てきました。
7人姉妹の5番目と6番目のマルゲリータとジャミーラが、3番目と4番目のお姉さんイングリッドとイリングワースの読書をじゃまする場面。
「横から、ヌテッラのついた指で本をさわってくる」という部分があるのです。

ヌテッラといわれても、ピンと来る日本の子は少ないと思います。
だから訳では、ただの「チョコレート」としました。
こういうのって、とっても残念。ほんとうなら「ヌテッラ」は、イタリア文化の一面だから、すっごく伝えたいことのひとつでもあるのだけれど、いたし方ありません。

ヌテッラを指につけているなんて、直接なめてる? 
それとも、パンにたっぷり過ぎるくらいぬってる? 
おまけに、読書をする時間(つまり午後)に、ヌテッラを指につけているなんて、この子たちはよっぽどの食いしん坊、とそこまでイメージするはずです。

そう、大人も子どもも大好き、ヌテッラ! もちろん、わたしも大好きです。
でも、食べ過ぎにはご注意。食べる量さえ間違えなければ、この男の子のように肥満になることはありません。
ちなみに、日本で売られているヌテッラは、なぜだかオーストラリア製じゃないですか〜?

(Corriere della Sera 2月4日付けの記事より。写真はフェッレーロ社のHPより)
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by arinko-s | 2011-02-04 21:50

白いマフラーのその意味は

イタリアのベルルスコーニ首相が、いよいよ退陣を迫られていることは、日本でも報じられていますが、今その運動の中心は女性だそうです。
そもそも、ここまで追いつめられた大きな要因は、ベルルスコーニに17歳(当時)の少女との売春疑惑が持ち上がったこと。
それだけでも大問題なのに、その少女から口止め料として500万ユーロを請求され、払ったとか払ってないとか、喧々がくがく。反ベルルスコーニ派の勢いが止まらなくなったというわけです。

問題が問題なだけに、女性からの非難は大きい。
「わたしは女性。もうやめなさいと、きっぱり言うわ」「今じゃなければいつやめるの?」と書かれた横断幕をバルコニーに下げたり、「自由と尊厳」を掲げたコミュニティを、ネット上に女性が立ち上げ、市民に参加を呼びかけたり。

そしてついにネットを飛び出し、ミラノとフィレンツェの広場でデモが繰り広げられたとのニュース。
参加した女性は皆、白いマフラーを首に巻いているそうです。
その示すところは、国への哀悼の意。(イタリアのお葬式の色は黒なのに、なぜ白? と疑問が残りますが、とりあえず今の政権は終わったということを表しているらしいです)
手には、「イタリアが必要としているのは、首相であって、専制君主じゃありません!」
「ベルルスコーニ、辞職しなさい!」と書かれたプラカード。
明日からも続々、各地で抗議デモが繰り広げられるそうです。

そもそも、なぜベルルスコーニ政権がこれほど長く続いたのか、端から見ていてとっても疑問。
どうして、イタリア人はあんな人に国を任せられるのか、不思議でなりませんでした。
幾度もイタリア人にこの疑問をぶつけてきましたが、直接聞くとベルルスコーニをよく思っている人はいない。それなのに支持率は下がらない。ほんとうに不思議でした。

日本在住10年以上のロンゴ先生いわく、
「財も地位も手に入れたベルルスコーニは、いわばイタリアンドリーム。憧れる気持ちを持つ人も多い」とのこと。
おまけに自由奔放の発言と行動。今まではそれを見て、国民みんなで楽しんでいるような感じでしたが、さすがに今回は国の品位を疑われかねない、といったところでしょうか。
いよいよ年貢の納め時?

それにしても、イタリアの女性はすごい。
日本で同じようなことが起こったとき、同年代の日本の女性は立ちあがるでしょうか?
いや、女性だけではありません。少し前の学生デモのときにも同じことを思いました。
日本の学生は、同じような境遇に立ったとき、こんなふうに抗議するのかなあ、って。
イタリア人を見ていると、自分の主張の曖昧さを反省させられます、ほんとうに。
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by arinko-s | 2011-02-01 11:09 | 本日のイタリア語