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本日のイタリア語

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最強のふたり

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昨日、突然時間が空いたので、久々に映画館へ。レディースデーだったしね。

予想以上のおもしろさでした。
最初から最後まで笑いっぱなし。でもって、なぜだかうるうるしっぱなしでした。

今さらここで語るまでもないのだけれど、ひとつだけ。
四肢不自由な大富豪のフィリップの介護をしていたスラム街育ちのドリスですが、
後半、彼の血のつながらない弟が、フィリップの豪邸にドリスを訪ねてくるシーンがあります。
その晩、ドリスが自分の生い立ちをフィリップに打ち明けると、突然フィリップが「これは君の一生の仕事ではない」とドリスに事実上の解雇を言い渡しました。

あまりにも急な展開に、どうしても理解できず。
どういうことなんだろう?? ここにいないで家庭の問題を解決してきなさい、ということなんでしょうか?
きっとここには、日本語字幕では書ききれなかったフランス社会が描かれているはず。

まあ、その他にもフランスのこともっと知っていたら、もっと楽しめたはず(理解できたはず)という場面がいくつもありました。
でも、それでも充分。
フィリップが、本当に幸せそうに微笑むから、こっちまで嬉しくなっちゃうのかな。
何よりドリスが、フィリップ以上に楽しんでいることが伝わってくるから良いんだね。

パリのイメージって、イタリアと比べてしまうからなのか、あのフランス語のせいなのか、どうしても「どんより」って感じなんです。
この映画も舞台が冬なので、思いきりどんよりした風景満載ですが、ドリスの弾ける笑顔で、ちょっとフランスのイメージが変わりました。
ドリス役のオマール・スイ、かっこ良し。彼の他の映画が観たくなります。
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by arinko-s | 2012-09-27 15:51 | 映画 ヨーロッパ

IL SORPASSO 追い越し野郎

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Dino Risi(ディーノ・リージ)監督の最高傑作と言われる作品です。

舞台はフェッラゴスト(8月15日)のローマ。
人気のない町で、ブルーノ(Vittorio Gassman ヴィットリオ・ガスマン)は電話とタバコを探しまわっています。
バールもレストランも閉まっているし、公衆電話は見つからない、で車を走らせ続けていました。

そしてふと上を見あげたとき、ベランダから外を眺めていた青年、ロベルト(ジャン=ルイ・トランティニャン)と目があいました。
ロベルトは法学部の学生。試験勉強のためにローマに残っていたのです。
ロベルトは、ブルーノに快く電話を貸してあげます。
するとブルーノは、そのお礼に昼食をご馳走しようと、ロベルトを無理やり町に連れ出しました。
ブルーノは40代の陽気なおじさん。かたや、ロベルトは生真面目で内向的な青年。
対照的な2人のドライブが始まりました。

「しかたがない、食事をしたら急いで帰ろう」と、ブルーノに付き合うことにしたロベルト。
ところが、そう簡単にはいきませんでした。
ローマ市内で開いているレストランを見つけられず、郊外へ。
そしていつの間にか、車は北上しトスカーナへ。

ここまで来たのなら、とロベルトは、グロッセート近郊に住む親戚の家にブルーノを連れて行きました。
ブルーノはあっという間に、ロベルトの親戚たちと親しくなり、気づけばとっぷり日が暮れて…。
行き当たりばったりで、どんどん車を走らせるブルーノ。
「こうなったら電車で帰るしかない」と、ブルーノに別れを告げたロベルト。
けれども、電車は既に終わり。翌朝までローマ行きの電車は来ません。

仕方なしにブルーノと別れたレストランへ、ロベルトは戻ります。
そして真夜中に、ブルーノに連れていかれたのは、ブルーノの元妻と娘の暮らす家でした。
そして翌日、やっとローマに帰れると思いきや、ブルーノは海を満喫。
ジェットスキーに、モーターボート。
はたまた娘の彼氏と卓球勝負。

ようやくローマへの帰路についたとき、ほっとしたのか、ロベルトは一気に弾けます。
もっとスピードを上げて、前の車を追い越せ、追い越せ、とブルーノをあおり、はしゃぎます。
そして、調子にのったブルーノが対向車線に出たとき、前方からやってきたトラックと正面衝突。
ブルーノはうまいこと車から放り出され軽症ですんだものの、ロベルトは車ごと崖から転がり落ちてしまいました。
助かるわけがありません。
ただ茫然と、転がっていく車を見つめるしかないブルーノ。
そのとき、ロベルトの名字さえ自分は知らないことに、思いいたるのでした。

というあまりにも衝撃的な結末でした。
それまでの陽気なブルーノが一転、表情を陰らし震える姿が目に焼き付いてしまうような終わり方です。

このガスマン演じるブルーノ。
とにかくお調子者の適当男です。
一方的にしゃべり続けるブルーノの姿こそ、日本人のもつステロタイプのイタリア男のイメージかもしれません。

一方、どこまでもおとなしいロベルト。思っていることを口にすることもままならず、ブルーノに振り回されっぱなしです。
わたしだったら、さっさと車降りて、どうにか家に帰っちゃう。
まったく、しっかりしろよ、ロベルト! ってげきを飛ばしたくなっていたら、この終わり方です。
ロベルトが救われません。

でも実は、ブルーノにどこか心を開かせてもらったようなところもあるから、ロベルトはブルーノに感謝していたのかもしれません。
ブルーノと出会えたことで、なりたかった自分に近づけたというか。
だとしたら、少しは救いがあるのかも。

でも何より、茫然自失のブルーノの姿に胸が痛みました。
自分のしでかしたことの大きさに、この先ブルーノは押しつぶされてしまうのではないか。
ちゃんと生きていけるのだろうか。
心配です。

この映画、イタリアンコメディ、と呼ばれているようですが、うーーん、コメディじゃないよな、と思う。
悲しい映画です。

撮影は1961年、発表が62年。
その翌年63年の銀のリボン賞(Nastro d'Argento)、ドナッテッロ賞(David di Donatello)共に、ガスマンが最優秀男優賞を受賞しています。
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by arinko-s | 2012-09-11 21:32 | 映画 イタリア

翻訳者のトークセッション

昨日、とある翻訳学校のトークセッションを拝聴してきました。
午前中は「実録・海外ドラマ翻訳ができるまで」。午後は「“ヤングアダルト作品の魅力”徹底解析」と2本立て。
午前中の「海外ドラマ」の方は、映像翻訳家お二方と制作会社のプロデューサーの対談で、午後は文芸翻訳家の代田亜香子さんと作家の角田光代さんとの対談でした。

いやいや、どちらもおもしろすぎて、あっという間の90分(それぞれ)でした。
以下、それぞれ興味深かった話の覚え書き。

「海外ドラマ」では、制作会社の方がざっくりとした制作過程を説明してくださいました。
字幕翻訳家のチオキ真理さんと、吹き替え翻訳家の菅佐千子さんがいらしていたのですが、お二人は、それぞれの行程の違い、そして要求されることの違いについて、とてもわかりやすくお話してくださいました。

へえーーー、って驚くこともあれば、ああさもありなん、と想像つくこもあり。
中でも印象的だったのは、「台詞にだまされてはいけない」という話。
映っているものと台詞の中身が、異なることが多々あるそうです。
それから、シリーズ物であるが故に(題材はテレビドラマ『CSI』シリーズ)、最初の方の回とつじつまが合わなくなっていることも、あったりするそうです。

そのあたり、わかる気がします。
日本のように律儀につじつま合わせて物語を作る国ってない、という気がします。
小説も同じです。ざっと読んでいる時には気づかないけれど、細かく訳すと月日がずれていたり、計算が合わなかったり、過去の経歴が変わっていたり。
イタリアの場合、ああイタリア! って思うのですが、アメリカでもあるんですね。
このドラマは、一般の方から送られてきた脚本を採用することもあるそうで(これにもびっくり)、そのためにこういったずれが時々生じるのだそうです。

それから同じ映像翻訳でも、まったく別の日本語の探し方をすることが、とても良くわかりました。
同じ台詞をお二人がどう訳されているか比べる資料もいただいたのですが、これがおもしろい!
短くまとめてつける字幕と、役者の口に合わせて作る台詞。
それぞれの難しさとおもしろさがあるんですね。

「これはやった!」と、我ながら上手くいったと思う訳は? という質問に対するチオキさんの答えも印象に残りました。

And if she is lying? She's the second best one we've had in here in the last 24 hours.
という5秒間の台詞。
「あれがウソなら デボラも彼女も大した役者だ」
という訳を当てたそうです。デボラとは登場人物の名前でsecond に対してfirstの人物。あえて名前を出すことで、彼女は2人目、つまりsecond の訳になっているということでした。
「大した役者」。これは使えそうです。メモしておかなくては、と思った次第。

プロデューサーの方が、「2秒間で、けっこうな量を話している」と言われていました。
イタリア語の映像を訳すと、だいたい2秒間でワンセンテンスです。
つまり一分間話し続けていると、30センテンスくらい言っている計算。
もちろん途中、間を空けたり、同じことを言ったりもするのですが、しゃべる人だと、ホントこのくらいたくさんのことを話します。
ちょっと一回口閉じて〜〜〜、って思うくらい、しゃべり続ける人も少なくなくて、泣きたくなることしばしば。
でもこれを字幕にすると、目が追いつかないんですよねぇ。
上のチオキさんの訳くらいに、すぱっと落とすところは落とす、と。
ふむふむ、でした。潔さが必要だ。

午後の『ヤングアダルトの魅力』も、午前中に負けず劣らず興味深かったです。
角田光代さんは、ひとときはまっていて、本当にたくさんの小説を読ませていただいているので、単純なミーハー気分もあり。
でもこの日は、やはり翻訳家、代田さんの話がおもしろかった。
中でも本を探しに行く話に共感。
20冊買っても、「これは絶対翻訳したい」と思える本は、1冊あるかないか。

わかります、わかります。
先日、またまた大量にネット書店で本を購入したのですが、読んでみてがっかり、もしくはう〜んイマイチっていうのが半分はあった。
代田さんは「必ず現地の本屋で探す」そうですが、それでもそうなんだから、ネットだともっと探し当てるのは難しいはずです。
やっぱり「訳したい」本に出会うことが一番大切なんだなあ、と改めて思いました。
それから、あぁ現地に行かねば、と欲望がむくむく湧いてきましたよ〜〜。

あとみなさんがおっしゃっていたことですが、
「トータルのバランスが大切」ということ。
一語一語をあてはめようとすると、絶対に不格好な日本語になってしまうというお話。
全体を見て、オリジナルが言わんとしようとしていることを漏らさず伝えていれば、それでOKではないか、と。
これには「やっぱりそれでいいんだ」と、ひとり内心喜んでいました。

というのも、英語と違って、翻訳学校なんてないから「こういう場合はこうするもの」って教えてもらったことがない。
これでいいのだろうか、と自信のないまま進めている部分もあったりするのです。

ともかく結論としては、翻訳って奥が深いぞ、ってことです。
それでもって、翻訳ってやっぱりおもしろい、って思えるトークセッションでした。
また機会があったら、ぜひ参加したい!
英語も勉強しよっと。

追記
代田さんが、おっしゃっていたこと。どんなに疲れていても、1日に3文は必ず訳すということでした。
わたしも、まねしようと思います。
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by arinko-s | 2012-09-10 21:26 | 翻訳

シゲタサヤカ原画展

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神保町のBOOKHOUSEで開催中の、シゲタサヤカさんの『オニじゃないよ おにぎりだよ』の原画展に行ってきました。

シゲタサヤカさんは、『りっぱな兵士になりたかった男の話』の挿絵を描いてくださった絵本作家さんです。
シゲタさんの原画はもちろんのこと、本日在店していらっしゃると聞き、ご本人にお会いするのを何より楽しみに伺いました。

そりゃ、もう楽しい時間でした。
原画は感動するくらい美しく、見入っちゃいました。
細かいのなんのって。色もとっても美しい!
ひゃ〜〜〜、おにぎりいくつ描いたんだろ?
すごいです。
何よりオニがかわいいんだ、ホント。

おまけに、絵本が完成するまでのいくつもの原案とラフが展示してあって、これがまたおもしろかったです。
このお話にたどりつくまで、こんなにいろいろ練るんだなぁ、と感心することしきり。
本当はラフもひとつひとつ読ませていただきたかったのですが、何しろお話にも夢中になってしまって、時間切れでした。

そうなんです、シゲタさんと初めてお会いしたものだから、お礼に始まりお話ししたいこと山積みで、口が止まらなくなってしまいました。
絵本にサインもしてもらいました。
ご本人にお会いして、ますますシゲタサヤカファンになってしまいましたよ〜〜。

で、そのあと仕事先に向かう電車の中、絵本をさっそく開いてみたら、思わず吹き出しそうになって困りました。
『おにぎりじゃないよ オニだよ』という特別付録の冊子をいただいたのですが、これまた大爆笑(こらえましたが)。
これから落ち込んだ時には、この絵本を読みます! 
いやでも笑顔になっちゃうもんね。

そうそう、シゲタさんに伝え忘れました。
シゲタさんは、うめのおにぎりが好きだそうですが、わたしも。
でもうめはうめでも、カリカリうめのおにぎりが好きです。
今度、ぜひ一緒におにぎり食べたいな。
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by arinko-s | 2012-09-06 21:53 | 展覧会

NUOVO CINEMA PARADISO ニュー・シネマ・パラダイス

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どれだけイタリア映画を観ても、やっぱりこの映画が一番好きなのですが、今日『Corriere della sera ネット版』に懐かしのトトの写真を見つけました。
イタリア映画のメモリアルDVDボックスに仲間入り、という宣伝記事。

「世界中を熱狂させた映画も、いまやクラッシックになった」と書かれていました。

ひゃ〜〜〜、です。
ついこの間、映画館で観たような感覚。
でも1988年の映画なんですね。
ほんと、もう少しで四半世紀ではありませんか。

当時はまったくわかっていなかったイタリア映画の歴史。
Totò(トト)やAmedeo Nazzari(アメデオ・ナッツァーリ)やMike Buongiorno(マイク・ブオンジョルノ)が、出てきたりして。
観るたびに、あっ! っていう発見があります。
初めて観たときよりも、今は数倍楽しめるようになりました。

青年時代のトトを演じているMarco Leonardi(マルコ・レオナルディ)は、今も役者として活躍していると、恩師のダニエレが教えてくれたので、
子ども時代のトトを演じた子は、シチリアで食料品店をやってるらしい、と教えたら、「なんで日本人がそんなことを知ってるの??」と驚かれました。
何の週刊誌で読んだのかなぁ? 忘れちゃいましたが。

実はイタリア版のDVDも持っています。
久しぶりに観てみようっと。

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       なんど観てもとびきりのかわいさです。
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by arinko-s | 2012-09-05 21:45 | 映画 イタリア