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本日のイタリア語

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marinare la scuola 学校をさぼる

少し前のことですが、仕事でいただいた映像の中に「marinare la scuora(マリナーレ ラ スクオーラ)」という言葉が出てきました。
marinare(マリナーレ)は、「マリネする」という動詞です。
学校をマリネする??

伊伊事典を引いてみて、「学校をさぼる」という意味だとわかりました。
それにしても、どうしてmarinare??

ずっと疑問に思っていたのですが、今日やっとわかりました!
マリネというのは食材を、オイル、お酢、ハーブなどに浸けおきする調理法ですが、すぐには食べられません。しばらく置いておくことが必要。
つまり、「食べるのは明日におあずけ」といった意味あいもここにはあるわけです。

学校をマリネする、というのは、つまり「学校は明日まで、おいとこ」ってことらしい!!
ふ〜〜ん、そうか、そうか。
同様に salare(サラーレ:塩漬けにする)という単語を使って「salare la scuola」ともいうそうです。
料理用語を使うってところが、何とも食いしん坊のイタリア人らしい。
それに、確かに一日おいてみたら、風味も増すかもしれません。
気のりのしない時には、時間を置いてみることも必要だ!

ちなみにミラノはじめ、ロンバルディア地方では「bigiare(ビジャーレ)la scuola」といいます。
bigiareは、ロンバルディア地方(だけかはわかりませんが)で使われる「さぼる」という意味の単語です。
響き的には marinare が好き。
それに「学校をマリネしちゃおう」って、なんかかわいいです。
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# by arinko-s | 2012-07-12 14:51 | 読書 イタリア語

残念! Euro 2012

今朝は3時半に起きて、Euro2012の決勝戦を観戦。
スペイン優勢という予想を聞いても、準決勝の勝ちっぷりから、いや優勝するかも、って期待していたんだけどなぁ。
残念。
まさか4点も入れられてしまうとは!!

選手たちの涙にもうるうるきたけど、観客席のがっくり度を見て、ふたたびがっくり。
次は、catenaccio復活で優勝してくれ!
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# by arinko-s | 2012-07-02 06:40 | 本日のイタリア語

『りっぱな兵士になりたかった男の話』

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ようやく形になりました!
ようやくというのも、この原書と出会って、かれこれ3年近くが経つからです。
途中、何度も笑わせられるユーモラスなストーリー展開と、ちょっと切ない読後感。
本になるまで、何度読んだかわかりませんが、最初から今までずっと変わりません。
何度読んでも、最後にはほろっとしてしまいます。

児童書ですが、大人が読んでも心に響く一冊だと思います。
ぜひぜひ、お手にとって読んでいただけますように!
戦争のない平和な世界が、いつの日かやってきますように!
そして、たくさんの子どもたちに長いこと読んでもらえる、息の長い一冊になりますように!

素敵なイラストをつけてくださった、シゲタサヤカさんにも感謝です。
もちろん素敵な一冊にしてくださった、講談社の編集者、Sさんにも感謝の気持ちで一杯です。
あらすじは、Amazonに詳しく書かれていますので、ご覧ください。
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# by arinko-s | 2012-06-19 13:39 | 本日のイタリア語

Ovosodo オヴォソード

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主人公のピエロ(写真前列中央:Edardo Gabbriellini)は、リヴォルノ(イタリア・トスカーナ州の港町)のオヴォソード地区で暮らす少年。
母親を幼いころに亡くし、父はその後すぐに再婚。
その相手、マーラはすでにお腹が大きく、ピエロの家に越してきて間もなく出産します。
けれどもその直後、父親は窃盗の罪で刑務所に。
マーラと赤ちゃん、そして知的障害を持つ兄とピエロの4人の生活が始まりました。

このピエロの目を通して描かれる、イタリアの日常。
思春期の少年の成長記です。

奥手でおとなしかったピエロを変えたのは、高校で同級生になったトンマーゾ。
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(右がピエロ、左がトンマーゾ)

明るく陽気で物怖じしないトンマーゾとの出会いにより、一気にピエロの世界は広がりました。
けれども良いことばかりではありません。
ピエロを精神的に支えてくれていた中学校の先生、ジョヴァンナに、トンマーゾが手を出してしまう。
それを知ったピエロは、ローマに遊びにいっていたトンマーゾを追いかけてローマへ。
トンマーゾを一発殴ってやったこともあります。
腹を立ててはいたものの、その時出会ったトンマーゾの従兄、スージーにひと目惚するというハプニングも。
つまり、友情、友人の裏切り、初恋などなど、青春時代のエピソードがてんこ盛りの一本です。

1997年、Paolo Virzi(パオロ・ヴィルツィ)監督の作品。
同監督のCaterina va in cittàは、中学生の日常を描いたものでしたが、どちらにも共通の感想。
いやはやイタリアの中高生ってホント早熟です。
教育システムが、日本とはまったく違うからなのかなぁ。
日本の子どもよりも自由奔放、口も達者、大人と変わらない!

もしわたしがイタリアで高校生を送っていたら……。
間違いなく、自分の意見もろくに述べることができず落ちこぼれ街道まっしぐら、ってところです。
ピエロが高校卒業試験(口頭試験)を受けるシーンがありますが、まったく質問の意図することとは関係ないことをしゃべりまくります。
つまり、問題の答えがわからなくても、何かを述べる力はあるんですよね〜。
もちろんピエロは不合格になるのですが、わたしが同じ立場に立たされたら、きっとひと言も口がきけなくなるに違いありません。
試験だけではなく、友だちに対しても、中学生時代、高校生時代の自分を思い出してみたら、なにひとつろくに考えていなくて、自分の意見を伝えるなんてことできそうにないなあ、と思っちゃいます。

あるいは、もしイタリアで子どもを育てるようなことがあったら……。
自分の青春時代には考えられなかったことを次から次へと経験してしまう子どもに対して、慌てふためきオロオロしてしまうこと間違えなし、です。

どっちが良いか悪いかはわかりません。
でも自分のことに置き換えてみると、イタリアで青春時代を過ごしてみたかったような。
でもでも、子どもには、日本の方が安心、と思ったりする。
校則と受験と部活であっぷあっぷになっている日本の高校生が幸せだとも思わないけれど、まあ、親は安心する、っていう親のわがままですね。

それにしてもあんなに子どもをベタかわいがりするイタリア人の親が、高校生の子どもの夜の外出やら飲酒やら喫煙に目をつぶる、っていうところが理解できないんだよなぁ。
それもこれも、自分が通ってきた道だから、ってことなんですね、きっと。

映画の舞台のリヴォルノは、ヴィルツィ監督の故郷です。
映画のタイトルにもなっているオヴォソードという地区は、リヴォルノの中でも庶民的な地区らしいです。
アパートのベランダには濯物がはためき、中庭にはサッカーをする子どもたちがいて、アパートの住人みんなが顔見知り。
イタリアの昔ながらの日常が残っている地区なんだと思います。

リヴォルノには、まだ一度も行ったことがありません。
語学学校で一緒だった中国人の子が、滞在許可証を取るのになぜだかリヴォルノに週末ごとに通っていて、なんだか謎の町(中国マフィア??)、というイメージもあったりして。
でも、とても美しい港町だとも聞いています。
いつの日か! 足を運んでみたい町のひとつです。
その時には、オヴォソード地区にも行ってみなくちゃですね。
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# by arinko-s | 2012-06-03 21:08 | 映画 イタリア

テルマエ・ロマエ

ゴールデン・ウイーク中の話になりますが、上映開始そうそうの『テルマエ・ロマエ』を観てきました。
マンガなんて久しく読むことがなかったのに、このマンガだけは、はまってしまって愛読しています。
映画も、もちろん行かなくちゃ、と意気込んでいました。

感想は、ひとこと。すっごくおもしろかったです。ずっと大爆笑の嵐。
原作ファンも失望させません。
あの短編マンガを、どうやって一本の映画にまとめるのかなあ、と思っていましたが、脚本家の人ってすごい! しみじみ思いました。
それにキャスティングした人も、すごい! ルシウスは阿部ちゃんしかいません。
他の人だったら、ここまでおもしろくなかったかも、とさえ思わせられます。

そもそも、原作者のヤマザキマリさんがすごい!
風呂好きの古代ローマ人と温泉好きの日本人の交流。
そこまで、万が一思いついたとしても、お風呂というキーワードでこんなに幾つもエピソードが作れるなんて! 
う〜ん、すばらしい!

ちょうど同じ頃、古代ローマ時代のエピソード満載のVTRの翻訳をしたのですが…
古代ローマ史をまったく知らないことを再認識。
これはいかんと、すぐさま本を数冊購入しました。
ルシウスの時代のことも、もっと知りたいし。
なんて意気込んでいたものの、あれからひと月近く経つというのに、ほとんど読み進めていない!
読まなくちゃいけない本ばかり、どんどん山積みになっていきます。

話は戻りますが、『テルマエ・ロマエ』を観たイタリア人が感想を述べるCMが、公開直前・直後がんがん流れていました。
でも日本語テロップがめちゃくちゃで、どうがんばって意訳してもこうはならないんじゃない? とイラッとしてしまっていました。
イタリア人が高揚して「最高!」っていう雰囲気を醸しだしているところを見せられればそれで良かったんだろうなぁ、と思うのですが、だったら「そう言ってください」とお願いしてカメラ回せば良かったのに。
いやあ、もっとちゃんと、イタリア人に感想を聞いてみたい!
現代イタリア人にも、お風呂の良さが再認識されるといいのに。
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# by arinko-s | 2012-06-01 16:50 | 映画 日本

Bacio a cinque

連休後半は仕事。楽しみにしていたイタリア映画祭も、あきらめることに。チケット、無駄にしてしまいましたが、仕方ありません。

ここのところ、映画の鑑賞記録が続いていましたが、読書もぼちぼち続けています。
超がつくほど忙しく、ヒーヒーしていた時に、心和ませてもらったのがこの本です。
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著者のGiulia Sagramola(ジュリア・サグラモラ)が、自分の誕生から小学校卒業までのエピソードをイラストで綴った本です。

例えば…
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ジュリアが2歳の頃。
山あいの小さな街で暮らすジュリア。近所のことに色々と関心を持ち始めます。
ある日、山に向かって、「CIAO!(チャオ!)」と声をかけると、「チャオ、アオ」
と返事が返ってきます。てっきり山に住んでいる子どもが返事をしてくれているのだと思ったジュリア。今度は
「COME TI CHIAMI? (ねえ、名前は?)」と訊ねます。
すると「CHIAMI?(きみは?)」と逆に聞かれ。「IO GIULIA (わたしはジュリア)」と答えました。
今度は相手が「GIULIA LIA」と返事するので、「ANCHE TU?(えっ、あなたもジュリアなの?」とジュリアはびっくり。
すると相手が「TU? TU?(君も? 君も?)」と返事。
「BASTA(いいかげんにして)」とジュリアが言うと、相手も「BASTA ASTA ASTA 」
まったくもう! ってジュリア、むっつり。ただのやまびこだったという話。

それから少したって、ジュリアに妹が生まれます。
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病院には両親の祖父母も集合。ジュリアもお父さんに連れられて病院にやってきました。
お母さんに、「ほら、妹のキアラよ」と紹介されます。「小さいでしょ? チャオ、キアラ、っていってごらん」と促され、一応「チャオ、キアラ」と気のりのしない様子で呼びかけてみたものの、「ねえ、ミケーレはどこ?」と不満顔。

実は、ジュリアはお母さんのお腹に赤ちゃんがいると知り、「赤ちゃんの名前は、ミケーレ! 絶対ミケーレ! ミケーレがいい!」と決めていたのです。
ミケーレは男の子の名前。ジュリアは弟が生まれると、信じていたのです。
だから、「キアラよ」なんていわれても、まったく合点がいかない。
おまけに……
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お父さんに「マンマとキアラはもう少し病院にいるけど、その後うちに帰ってくるからね。嬉しいだろ?」と言われ、
「なんで、その子がうちにくるの???」とびっくり。
おじいさん、おばあさんに笑われても、その理由がまったく分からない、というお話。

どこの国も子どもは同じですね。
ホント、楽しい。
ジュリアはどんどん大きくなってお姉さんぶりを発揮しますが、このキアラの下にもうひとり妹のアンナが生まれて、その2人も笑わせてくれます。

タイトルの『Bacio a cinque』は、『5人でチュッ』というところ。
ジュリアの家族は、いつも寝る前に家族で丸くなってキスをし合うのですが、
3人のチュが、4人になり、そして5人になった、というお話です。
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# by arinko-s | 2012-05-06 22:27 | 読書 イタリア語

Habemus Papam ローマ法王の休日

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イタリア映画祭初日、特別上映作品の『Habemus Papam』を観てきました。
Habemus Papamというのは、新ローマ法王が決まった時に発せられるラテン語で「新法王が決まりました」という意味だそうです。

物語は、法王のお葬式から始まります。
そして、各国の枢機卿がヴァチカンに集まり、新法王を決めるコンクラーヴェが行われます。
選挙の開票が始まると、枢機卿たちは皆必死でお祈りを捧げ始めます。「どうか、選ばれませんように」と。

その祈りが神に届かず、新法王に選ばれたのは、ダークホースのメルヴィル(Michel Piccoli ミケル・ピコリ)。
ヴァチカン広場には世界中から信者が集まり、新法王の演説を今か今かと待ちつづけていました。
そしていよいよその時が来ると、メルヴィルは重圧に耐えきれず叫び声をあげて、自室へ逃げ込んでしまいます。
結局その日の演説はおあずけ。
ヴァチカン広報官は、メルヴィルの不安を取りのぞこうと、心理療法士ブレッツィを招くのですが、メルヴィルは気をとり直すどころか、ひとりローマの街に逃げてしまい……

心理療法士のブレッツィ役を自ら演じているNanni Moretti (ナンニ・モレッティ)の監督作品です。
公開前から長いこと宣伝を見ていて、見たい、見たいと思っていましたが……
イマイチ期待はずれでした。

もちろんモレッティの作品らしく、笑える場面もたくさんあって、そこそこ楽しめるのですが、
終わり方が「へっ??」って感じでした。
神に生涯を捧げてきた老齢の枢機卿が、そこまで自分に課された立場におののく?
もちろん、ローマ法王というのは、それほど重責なのだということは理解できるのですが。
あんなおじいちゃんが、今さら宗教の道を棄ててどこに行くの? って逆に心配になってしまいました。
どうもリアリティがなさ過ぎます。

ローマの街で一般市民の生活に触れたメルヴィルが「忘れてしまったたくさんのことを思い出さなくては」というようなことを言うのですが、
枢機卿にまで上りつめるような宗教者は、自分の過去を封印して宗教の道を行くのでしょうか?
だとしたら、尚さら逃げ出そうなんて考えにはいたらないように思うのだけれど。
なんだか市民の生活を見て、枢機卿の洗脳が溶けて行くかのような描き方、だと思ってしまいました。

邦題もよくありません。
『ローマの休日』のアン王女のように、法王がローマの休日を楽しんだ後、元の鞘に納まることをイメージしてしまいます。
いや、そういうエンディングだったら、共感度倍増だったんだけどな。
なんだか腑に落ちない気持ちで帰ってきました。
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# by arinko-s | 2012-04-29 22:17 | 映画 イタリア

Scialla! (Stai sereno) シャッラ/いいから!

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イタリア映画祭の特別試写会に行ってきました。
ひと足お先に、見た『Scialla! (Stai sereno)』。
最高でした。こんな映画が見たかった、っていう一本。

自宅で個別指導の補習塾を開いているブルーノ。
ある日、生徒のひとり、ルカが実の息子だと知ります。
その上、仕事の事情でイタリアを半年離れることになった母親から、ルカを預かって欲しいと頼まれる。
最初はルカとの距離を保とうとするブルーノでしたが、次第に2人の距離は縮まっていき……

何といっても、ルカ役のFilippo Scicchitano(フィリッポ・シッキターノ)がかわいい!
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いやぁ、こんな息子がいたらたまらん、っていうかんじの少年です(役では15歳)。
イタリア人親子だから、「マンマ、愛してるよ」とか言っちゃって。
日本の15歳は「くそ、うるせえんだよ!」とか言ってるんだろうなあ。表面だけでも「愛してるよ」なんて言ったりしないはず。
日本人の男性からしたら、気持ち悪っ、ってことでしょうが…。
この家族愛の形は、日本の家族の形にはないものですよねぇ。

監督さんのお話では、彼はまったく俳優業に興味がなかったそうですが、この映画がヒットしたこともあって、もう次の作品を撮影中だそうです。
楽しみ!

監督は、Francesco Bruni(フランチェスコ・ブルーニ)。
Paolo Virzi監督作品(とかとかとか)やモンタルバーノ警部シリーズの脚本を手がけてきた人だそうです。
初監督のこの作品はやはり、Virzi 作品のユーモアや温かさを踏襲しているなあ、と感じさせました。
次はどんな作品を撮るのか、これまた楽しみです。

今からイタリア映画祭のチケットを買う方、絶対、絶対お勧めです!

ちなみに原題のScialla! は、ローマっ子たちが使う「ま、落ちついて」とか「やらせてくれよ」という意味の若者言葉だそうです。
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# by arinko-s | 2012-04-28 11:20 | 映画 イタリア

VINCEREの続き

先日観た『VINCERE』について、ひとつ書き忘れました。

VINCEREという単語は、日伊辞典を引くと「勝利する、優れている、(賞金などを)もらう、克服する」となっています。
なぜ、この映画のタイトルが『VINCERE』なのか、ずっと引っかかっていました。

イーダが勝利したかというと、まったくそうではありません。
精神病院に閉じこめられて、ムッソリーニの妻は自分だという主張は認められなかったのですから。

もちろんムッソリーニも、勝利していません。
戦争に負けた上に、自国民に吊るし上げられるという敗北。

邦題は『愛に勝利を』として「ムッソリーニを愛した女」という副題をつけています。
でも、このタイトルも考えれば考えるほど、良くわからなくなってきます。
これだと勝利を求めたのは、イーダだけのように思えます。
そもそも愛に勝利があるのか、って気もするし……。

それに勝利したくて、突き進んだのはムッソリーニのほうじゃないかなあ、と思うのです。
どうしても VINCERE という単語はムッソリーニへの言葉のような気がしてしまう。
「勝つために」は、人を傷つけることも厭わなかった、という意味なのかな、と思ったりしました。

そこで、伊伊事典。
すると、vincereには、ものすごくたくさんの同意語があることがわかりました。
ほれさせる、追い払う、孤立させる、引き離す、踏みにじる、監視する、侮辱する、殺す……と。

これってつまり、ムッソリーニがイーダにしたことすべてです。
やっぱりこのタイトルは、ムッソリーニに向けたもの、だと確信。
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# by arinko-s | 2012-04-26 17:26 | 映画 イタリア

VINCERE 愛の勝利を ムッソリーニを愛した女

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夜よ、こんにちは』のマルコ・ヴェロッキオ監督の、2009年の作品です。

ムッソリーニ(Filippo Timi フィリッポ・ティーミ)が、まだ社会主義の活動家だったころ、警察に追われる彼を救ったイーダ(Giovanna Mezzogiorno ジョヴァンナ・メッツォジョルノ)。
2人は恋に落ち、イーダはムッソリーニを支援するために私財をなげうちます。
そして2人の間には、息子ベニート・アルビーノが生まれました。

しかし、次第に政治の中心的存在となり、権力を手にしていったムッソリーニは、イーダを遠ざけるようになります。
別の女性ラケーレ・グイディと正式に結婚し、イーダの存在を否定するようになるのです。
それでもイーダは執拗に、ムッソリーニに近づこうと様々な場所に追いかけていきます。
そんなイーダをムッソリーニは、イーダの故郷に軟禁しました。
けれども、それだけでは自分の思惑通りにはいかないとわかり、今度は彼女を精神病院に幽閉してしまいます。
そして、母親と引き離された息子の方は、ファシスト党員の養子にされ、寄宿学校へと入れられてしまいました……。

という、イーダという女性を軸に、実話を元に描いた映画です。
このイーダという女性の存在については、2005年、イタリア人とアメリカ人ハーフの2人のジャーナリストが取材・作成した『ムッソリーニの秘密』というドキュメンタリーで、明らかになったそうです。

結局、イーダは精神病院から出してもらえることはなく、1937年に亡くなってしまったそうですが、第二次世界大戦が始まる前に亡くなったことがせめてもの救いかもしれません。
わたしには、どうしてそこまで彼女がムッソリーニに執着したのか理解できませんが、それほど愛していたのであれば、ムッソリーニが処刑されたことを知ったら本当に気が狂ってしまっていたかもしれません。
しかもその時、あれほど嫉妬を覚えた妻ではなく、また別の愛人が一緒だったと知ったら!

何より気の毒なのは、息子のベニート・アルビーノです。
常にファシスト政府の監視下に置かれ、友人たちからは「ムッソリーニの真似をしてみろ」とからかわれ、最期は彼も精神病院に入れられて27歳の若さで亡くなってしまうのです。

イーダの父親は村長をしていた、土地の名士だそうです。
イーダ自身はパリの学校で美容医学を学び、ミラノでエステサロンまで開いた女性。
それほどインテリで、商才にも長けていた女性が、なぜムッソリーニの狂気を見抜けなかったのか。
追えば追うほど逃げいてくムッソリーニ。華やかな舞台を歩き始めたムッソリーニが、イーダにはより輝かしく見えたのかもしれませんね。
さっさと過去の男には見切りを付けて、新しい道を歩んでいけば良かったのに〜〜、と思わずにはいられませんでした。
いや、でもひょっとしたらムッソリーニに未練があったのではなく、ひとこと自分の存在を認めさせたいだけの意地だったのかもしれません。

何より印象的だったのは、イーダ役のジョヴァンナ・メッツォジョルノ。
L'ultimo bacio』や『LEZIONE DI VOLO』でお馴染みの女優さんですが、今までのかわいらしいイメージを脱ぎ捨て、この役に体当たりしている感じです。
彼女のヒステリックに怒る演技はもう何度も目にしているけれど、その上を行く迫力。
執念が、全身からめらめら湧き出ていました。
こんなにかわいい女優さんなのに、ヌード姿も老け顔も惜しみなく披露。ますますファンになってしまいました。

もうひとりの主役、ムッソリーニ役のフィリッポ・ティーミは、今乗りに乗っている役者さん。
俳優だけでなく、監督もするし、作家としても活躍しているそうです。
この役の評価もとても高かったようですが、ただひとつ、わたしの知っているムッソリーニよりも数倍男前で、ムッソリーニと結びつけるのが難しかったです。
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# by arinko-s | 2012-04-23 18:17 | 映画 イタリア