ブログトップ

本日のイタリア語

cucu2.exblog.jp

タグ:イタリア ( 125 ) タグの人気記事

I soliti ignoti いつもの見知らぬ男たち

昨年亡くなったマリオ・モニチェッリ監督の追悼・作品上映会に行ってきました。
b0171200_1722471.jpg

1958年の作品。ヴィットリオ・ガスマン、マルチェッロ・マストロヤンニ、トト(イタリアの喜劇スター)など、そうそうたる出演者の顔ぶれです。

ペッペ(ヴィットリオ・ガスマン)、マリオ、コジモ、カパンネッレ、フェッリボッテ(鉄樽の意)、ティベリオ(マルチェッロ・マストロヤンニ)の5人は、簡単にお金を稼ぐための方法をあれこれ試行錯誤する日々。
つまり泥棒です。
ある時、刑務所から出てきたばかりのペッペは、ひとつの計画を思いつきました。
まずあるアパートの共有炭置き場(通りに面して金網の扉がある)を通ってそのアパートの中庭に入り、壁をよじ登って空き部屋の窓へ。
その空き部屋に窓から侵入したら、壁を壊して隣の質屋にもぐり込み、金庫を奪うというものでした。

ペッペたちはまず、泥棒の師匠ダンテ・クルチャーニ(トト)に指南を仰ぐことにしました。
クルチャーニは、今や本業ではなく「その方法」を教えて稼いでる元泥棒です。
クルチャーニの教え通りアパートに忍びこみ、どうにか壁を壊すことに成功した彼ら。ところが……

というあらすじです。
モニチェッリは喜劇映画の巨匠です。
もう笑いどころ満載。もちろん最後の、壁をやっとのこと崩したシーンは一番の大爆笑でした。
想像通り泥棒は失敗に終わるのですが、その後とっとと逃げもせずに、台所に作り置きしてあった「パスタと豆」をみんなで食べてくつろいじゃったりして。
まったく緊張感のない泥棒たちというのが、なんともイタリア的です。
b0171200_19445072.jpg


イタリア国内はもちろんのこと、アメリカでも大成功したこの映画は、ハリウッドでリメークされているそうです。それも何度も。
1984年にはション・ペーンが主演した『クラッカーズ』。
2000年のウッディ・アレンの『おいしい生活(Small Time Crooks)』も、一部この映画にインスパイアされているそうです。
2002年にはジョージ・クルーニーらが演じた『ウエルカム・トゥ・コリンウッド』が撮られています。

それほどまでにハリウッドにも影響を与えたモニチェッリ。
今観ても、笑いのツボは全く色あせておらず、日本で紹介されてこなかったのが不思議なくらいです。

実は映画上映の前に、塩野七生さんの「モニッチェッリの喜劇」についての講演会がありました。
映画に負けず劣らず、この講演会を楽しみに足を運んだのですが……
何せ「えっと」「あれっ」「なんだったかしら」が多く、正直何が言いたいのか良くわかりませんでした。
「えっと、えっと」のあと間を置いて、違う話にいってしまう!

でもその中でわかったことは
モニチェッリはイタリア人を笑い飛ばし続けた」ということ。
そして、彼の映画はどれも大ヒットしている。つまりイタリア人は自分たちを笑い飛ばすことを厭わない。
自分自身を笑い飛ばすことは、とても勇気のいること。
自分だけが正しいと思わないバランス感覚に優れている。それは自己批判能力に優れているということでもあるということ。

確かに、確かに、と頷いちゃいました。
「イタリア人てまったく!」とステレオタイプにバカにされるところを、あえて映像にしてしまったモニチェッリ。
それを観てむっとするどころか、「あはは! そうそうイタリア人てこうだよね、まったく」って笑ってしまうイタリア人たち。
素晴しい! 
自分のダメなところを笑い飛ばせるようになることって、人生を楽しむひとつの秘訣かも知れません。

それにしても、こんな講演会でも原稿作って来ないんだなあ、塩野さんは。ってそっちの方に感心することしきりの夜でした。
[PR]
by arinko-s | 2011-11-20 19:50 | 映画 イタリア

ローマ法王とイスラム教の指導者がキス?

b0171200_1822532.jpg

トスカーニ氏の強烈な広告で、ベネトンが世界中をにぎわせたのは1980年代の終わりから90年代半ばくらい。
最近、話題にのぼることも少なくなっていたように思いますが、今年のベネトンの広告は久しぶりに議論を呼びそう。

UNHATE 反憎悪をテーマに様々なリーダーたちのキス写真を合成!
上の写真は、ローマ法王ベネディクト16世とイスラム教の指導者アフマド・アル・タイーブ氏のキスシーン。
もちろんというべきか、ローマ法王庁は猛烈な抗議。ローマのサンタンジェロ橋にかけられた大きな垂れ幕広告はすぐさま撤去され、ベネトンは謝罪声明を発表したそうです。

他には
b0171200_18165538.jpg

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とパレスチナ自治政府のアフマード・アッバス議長
b0171200_18172182.jpg

北朝鮮の金正日総書記と韓国のイ・ミョンバク大統領
b0171200_18174518.jpg

アメリカのオバマ大統領とベネズエラのチャベス大統領

オバマ大統領は、別バージョンで中国の胡錦濤国家主席ともキスしていました。
あとフランスのサルコジ大統領とドイツのメルケル首相も。
ちなみに就任したばかりのイタリアのモンティ新首相は間に合わず。
ベルルスコーニ前首相がメルケル首相とキスしていたらしいですが、そちらはお蔵入りしたそうです。

悲しいかな、野田首相はまたもや蚊帳の外。いや、反目する国がないと思われているということ?
八方美人と思われていると悲しむべきか、それとも素直に喜ぶべきか??
単純に影が薄いだけかもね。

それにしても、すごいインパクト。ローマ法王でなくとも、写真に使われたご本人たちが抗議すること必至です。
すべて撤去される日は近いかも。
ローマの撤去シーンはこちらから。
(11月17日付け『Corriere della Sera』ネット版より)
[PR]
by arinko-s | 2011-11-17 18:38 | 本日のイタリア語

Finalmente ……ma…… ついに……でも……

「財政再建法案成立後に退陣する」と表明したベルルスコーニ首相。明日にも下院で同案が可決され、早ければ同日中にベルルスコーニは辞任するかもしれないそうです。
もちろん、各紙ともそのニュースでもちきりです。
中にはベルルスコーニをおちょくった諷刺画や動画もたくさん。これは日本と大きな違いかも。

様々なサイトに載った画像を集めた頁が『La Repubblica』ネット版にありました。
例えば、こんなの。
b0171200_1751149.jpg

DURO A DIMETTERSI は ダイ・ハードのもじり。なかなか辞任しない男、ってところです。
それからこんなの。
b0171200_17533131.jpg

お馴染み、ピノッキオ。ベルルスコーニも嘘をつきすぎて鼻が伸びちゃったんですね。
一番笑っちゃったのはこれ。
b0171200_17552632.jpg

長靴に例えられるイタリアですが、そのイタリアに蹴られているのはベルルスコーニ。
カルチョ(サッカー)の国だしね。それにしても、またまたズボン履いていない!

さぞかしみんな喜んでいるのかなあ、と思いきや。
実はそうでもないとわかりました。
恩師のロンゴ先生は「次の政府はさらに悪くなる、と確信している」そうです。
代わりがいないから、こんなに長く続いたとも言われるベルルスコーニ政権。
あ〜〜、まさに日本と同じですね。
[PR]
by arinko-s | 2011-11-10 18:03 | 本日のイタリア語

いよいよ退陣?

IMFと欧州中央銀行に、財政再建状況を監視されることになったイタリアですが、イギリスの新聞にこんな風刺画が!
b0171200_1443091.jpg

あんまり似てないけど、ベルルスコーニ首相がズボンを下ろし苦笑い。
彼のセックススキャンダルを皮肉って
「危機だって? 僕も性欲減退の危機だよ」って揶揄しているのだとか。
(11月7日付け『La Reppublica』ネット版)

各紙、これまでにないほど深刻な表情のベルルスコーニ首相の写真を掲載していますが、
b0171200_1419242.jpg

(写真は11月8日付け『La Repubblica』ネット版)
でも先日フランス・カンヌで行われたG20でベルルスコーニ首相は、オバマ大統領に次いで高い部屋、およそ3万ユーロの部屋に宿泊したのだとか。
そりゃあ、国民からしたら「おいおい! 今、そんな部屋に泊まれる状況?」ですよね。

ちなみにオバマ大統領は3万4千ユーロの部屋、サルコジ大統領は3万7千ユーロの部屋に泊まったのだとか。
一番拍手されるべきリーダーは、イギリスのキャメロン首相。彼の宿泊先は、2千ユーロの部屋だったそうです(これだって結構すごい額!)。

この事実を暴いたイギリスのタブロイド紙『The Sun』は「世界が経済危機に瀕しているというのに、首脳たちは滞在費に100万ユーロ以上を使うことが許されるのか?」と提言。
日本の野田首相に関しては明記されていませんでしたが(相変わらず影の薄い日本の首相!)、どうなんでしょう。
まさかまさかとは思いますが、万が一こんなホテルに泊まりながらの、消費税引き上げ宣言はないと信じたい。
(11月5日付け『Corriere della Sera』ネット版より)

イタリアのmaltempo(悪天候)の続報ですが、トリノを流れるポー川の氾濫は避けられたものの、昨夜はエルバ島で洪水が起こったようです。
[PR]
by arinko-s | 2011-11-08 16:26 | 本日のイタリア語

Giotto もすごいけど、こっちもすごい!

b0171200_20525943.jpg

どうみても写真にしか見えないけれど、グラファイトと白墨で描かれた絵だそうです!
作者はスコットランド人のPaul Cadden氏。
1964年、グラスゴー生まれ。今もグラスゴーで暮らしている画家だそうです。
すごすぎる! 
b0171200_2058317.jpg

これだけのものを描くのに、どれほどの時間がかかるのか……。
Che pazienza !  Bravissimo〜〜〜!!

根気だけは見習いたい。
(11月6日付け『La Repubblica』ネット版より)

イタリアのリグーリア州では、大雨による水害が。死者も行方不明者も出ているとのこと。心配です。
これ以上、被害が増大しませんように。
[PR]
by arinko-s | 2011-11-06 21:05 | 本日のイタリア語

Giottoが隠した悪魔

アッシジ(ウンブリア州)のサン・フランチェスコ大聖堂にあるジョットの壁画の中に、実は悪魔の絵が隠されていたという話。
聖フランチェスコの生涯を28枚の壁画で現したものですが、その一場面『天国への帰還』の雲の中に悪魔が描かれているというのです。
b0171200_20192946.jpg

800年間、誰も指摘した人がいなかった大発見だそうです。

発見したフランチェスコの研究者Chiara Frugoni(キアラ・フルゴーニ)さんによれば、
中世「雲の中に、天に昇る魂を邪魔する悪魔が隠れている」と、信じられていたのだとか。

そして、もうひとり、美術史家のClaudio Strinati(クラウディオ・ストリナーティ)氏は、画家が作品の中に何かを隠して描くことは決して珍しいことではない、と指摘しています。
ただし、そのことに関して画家が文章に残しているわけではないので、その意図や動機を知ることは難しい、とも話しています。

その芸術作品としての価値がはっきりと認められている古い絵画ですから、もう研究し尽くされているかのように思っていましたが、こんなことがあるんですねぇ。
今ごろジョットは、「あぁ、ついに見つかってしまったか」なんて天国で思っていたりして。

さらに絵を詳しく見たい方はこちらから→
(11月5日『Corriere della sera』ネット版より)
[PR]
by arinko-s | 2011-11-06 20:45 | 本日のイタリア語

アメリカ流パスタの茹で方

アメリカの料理研究家、Harold MacGee氏は、エール大学を始め、幾つもの有名大学で食物の歴史や食物化学を教える先生でもあります。
その先生が! こんなおかしなパスタの茹で方を!! 
と、10月30日付けの『La Repubblica』ネット版に、驚きの声をあげた動画が載っていました。
時間も水もエネルギーも節約できると自信満々の先生に対し、「ブルータス、おまえもか」ならぬ、「ハロルド先生、あなたもか」って感じです。

でも今やパスタは世界各国で愛されている食材。
ノルウェー人のアニカも、いつも水の中にパスタを突っ込んでいたし、ギリシャ人のジョルジャはお湯が沸くと、パスタと一緒にお湯の中にバターを落としていました。
日本にはこんな道具も。
b0171200_2010527.jpg

レンジでチンしてパスタ〜〜〜?? ってイタリア人なら卒倒しちゃうかも。

でもこれもそれも、各国それぞれの調理方法でパスタを愛している証拠ですよね。
[PR]
by arinko-s | 2011-10-31 17:20 | 本日のイタリア語

avere sette vite come i gatti  七転び八起き

以前、『7回生きたねこ』という本を読んだ時、
著者のDomenica Lucianiが、佐野洋子さんの『百万回生きたねこ』にインスピレーションを得たのかも、と思いました。

でも、違いました!
今日、初めて知った事実。
イタリア語では七転び八起きのことを「avere sette vite come i gatti」というのだそうです。
直訳すると「ねこのように7つ命を持つ」ということ。
どんなに高いところから落とされても見事に着地してみせるねこ(しぶとく生きるねこ)は、7回生き返ると信じられていたことから、こういう言い回しをするのだそうです。

だから、イタリア人にとってこの本のタイトル『Sette volte gatto』は、当たり前の当たり前。
ねこの人生は、今も昔も「7回」なのです。
知らなかった〜〜。 

ちなみに調べてみたところ、
同じヨーロッパでもアングロサクソン系では「ねこは9回生きる」とされていて、
アラブの国々では、イタリアと同じ「7回」なんだそうです。
もちろん、日本では「百万回」!
どこのねこよりもしぶとい、日本のねこバンザイ!
[PR]
by arinko-s | 2011-10-26 17:08 | 本日のイタリア語

LEZIONI DI VOLO フライトレッスン

b0171200_14454922.jpg

高校卒業試験に落第してしまった“Pollo(ポッローチキンのこと)”と親友の“Curry"。
ポッロはユダヤ人、カリーは幼い時にインドから養子にもらわれてイタリアにやってきた少年です。
いつも一緒にいる二人は、皆からポッロとカリーと呼ばれているのでした。

二人はカリーの故郷、インドへ旅することを決めました。
もちろん旅費は親持ち。贅沢なホテルで快適な時間を過ごすものの、一歩外に出ればそこはカオス。
雑多な町に辟易した二人は、「宮殿を見に行って、プールで泳げるホテルに移ろう」なんて決めたものの、荷物を全て持っていかれて、路上に放り出されてしまいます。
ホテルに助けを求めようとしたものの、外見の違いからカリーはホテルにも入れてもらえず。
二人は離ればなれになってしまいました。

不運は重なり、下痢と吐き気に襲われるポッロ。
そんな彼を助け、二人を引き合わせてくれたのが、産婦人科医のキアーラ(Giovanna Mezzogiorno ジョヴァンナ・メッツォジョルノ)でした。
キアーラはNPO団体のメンバーとして、医療活動に携わっています。
今まで何に対しても興味を持てずにいたポッロは、彼女と過ごすうちに次第にキアーラに惹かれていくのですが、実はキアーラには夫がいました。

一方、カリーはこの土地で自分のアイデンティティーを見つけていきます。
最初はその気もありませんでしたが、自分の育った施設を訪ねることを決意。
産みの母親に会ってみようと決めました。
ところが、その母親は既に他界してしまっていました。

というのが、簡単なあらすじです。
タイトルの『フライトレッスン』というのは、大人になるための、つまり巣立ちのためのレッスンということでしょうね。

英語でチキンといえば、臆病者のことですよね。
イタリア語でもポッロと人を呼んだら、それはいい意味ではありません。
お人好し、世間知らず、の蔑称です。
この映画のポッロくん、まさにそんなタイプを見事に演じています。
裕福な家に生まれて何ひとつ不自由のない生活をし、だからなのか、自分は何をすべきなのか何をしたらいいのかさっぱり見えない。見つける意思さえない。
いつも責任を人になすりつけて、うじうじ。
あ〜〜もう! ってじれったくなるようなタイプです。
その彼が、16歳も年上のキアーラと出会い、いろいろなことを自覚していく。
人のためにきびきびと働く彼女を見て、自分の情けなさを感じたんでしょうねぇ。
キアーラはカリーにも、厳しい言葉をびしびし浴びせます。
間違いなく彼らにフライトレッスンをしてあげたひとりは、キアーラです。

この映画のテーマのひとつでもある養子縁組ですが、実はイタリアは養子縁組大国。
それも国内の子どもを養子にするのは、手続きがより困難であることから、その多くは外国の子どもだそうです。
東欧の子が大半を占めるようですが、南米、アジア、アフリカからの子どもも少なくないとか。
もちろんイタリアでも人種差別はあると思いますが、養子に対する偏見は、日本とは比べ物にならないくらい少ないのは確かです。

おまけに、イタリアの出生率は徐々に上昇しているようですが、その上昇は移民のカップルによるというデータもあります。
生粋のイタリア人て、どんどん減っているのかもしれません。
それも時代の流れですね。

この映画は2006年の映画、監督はFrancesca Archibugi(フランチェスカ・アルギブージ)。
女性監督です。
強い女性の描き方とか、やっぱりどこか女性監督っぽい、と思いました。

それにしても、インドのシーンの後にローマが映ると、あの(!)ローマが整然として見えるから不思議です。
[PR]
by arinko-s | 2011-10-23 16:16 | 映画 イタリア

L'uomo che verrà やがて来る者

b0171200_21143026.jpg

2009年のローマ国際映画祭で審査員賞と観客賞を受賞した映画です。
監督はGiorgio Diritti(ジョルジョ・ディリッティ)。
ボローニャ近郊の村で起こったナチスによる虐殺を、主人公の8歳の少女、マルティーナの目を通して描いています。

題材となっているのは「マルツァボットの虐殺」という、実際に起こったできごとだそうです。
1944年9月29日から10月5日にかけて、マルツァボット村というエミリア・ロマーニャ州の、人口7千人弱の小さな村で起こったこの事件。
連合軍がシチリア島に上陸し、ムッソリーニが逮捕された後のこと。
ドイツ軍がイタリア半島を占領し、その一方でパルチザン蜂起が活発になり……。
連合軍が徐々に北上し各都市を解放していくものの、ドイツ軍は抵抗を続けていた、そのころのできごとです。

映画の中でも、ナチスは村人たちに容赦なく銃を向けます。
子どもにも、女性にも、老人にも。
教会に逃げ込み、必死で祈りを捧げる村人たちも撃たれます。
神父も撃たれます。
実際、この虐殺で771人(内216人が子ども)の村人と7人のパルチザン兵が亡くなったそうです。

映画のなか、マルティーナは奇跡的に生き残ります。
周りにいた人たちの血で服はどす黒く染まり、あごや腕に傷を作りながらも、マルティーナはひとり虐殺の場となった建物を逃げ出しました。
生まれたばかりの弟を助けに走ったのです。

実は、この弟の前に生まれた弟が生後すぐに亡くなってしまってから、マルティーナは口をきかなくなってしまいます。
そのマルティーナが、小さな弟をかごに入れ、あやしながら子守唄を歌ってあげるシーンで、映画は終わります。
こんな悲しすぎるできごとで、声を取り戻したマルティーナに涙涙。

このマルティーナを演じた少女、Greta Zuccheri Montanari(グレタ・ズッケリ・モンタナーリ、写真の女の子)ちゃんのかわいいこと、かわいいこと。
b0171200_21172758.jpg

じっと見つめる鋭い視線。どんなことでもお見通しだと思わせる視線です。

Ogni tanto vengono i soldati tedeschi, e io non so perché sono venuti fino a qui e non sono rimasti a casa loro con i loro bambini.
E poi ci sono ribelli che rifanno la guerra, perché dicono che se ne devono andare.
Eccola cosa che ho capito che molti vogliono ammazzare qualcuno altro.
Ma non capisco perché.

時々、ドイツ兵がやってきます。どうして彼らがこんなところまでくるのか、どうして自分の子どもたちと家で過ごさないのか、私にはわかりません。
それから、再び戦争をしようとしている反乱軍の人たち(パルチザン)がいます。戦わなくてはならない、と彼らは言います。
私にわかったことは、多くの人たちが誰か別の人を殺したがっているということです。
どうしてかはわかりません。

これはマルティーナの書いた作文です。
マルティーナは、何もかも理解していたような気がします。

タイトルの L'uomo che verrà を直訳すると「やってくるだろう人」ということですが、この「人」が誰を指しているのか、はっきりとは描かれていません。
でも、わたしはナチスのことだと思いました。

物語の中、農民たち数家族が肩を寄せあって暮らすマルティーナの家に、お腹をすかせたドイツ兵たちがやってきます。
マルティーナの家族は卵や鶏をわけてやり、ドイツ兵たちは食事をし談笑して去っていきます。
でもこの時きっと、マルティーナは、後々ナチスたちがその形相を変えてやってくることを予感していたような気がしてなりません。
このタイトルはマルティーナの言葉のように思えるのです。

もちろん解釈は人それぞれ。
こんなことがあっても、あと少しで連合軍の人がやってくる、ということかもしれません。


とにもかくにも、マルティーナと弟が手をとりあって強く生きていってくれますように、と祈らずにはいられない映画でした。

(追記)
ひとつ大切なことを書き忘れていました。
この映画、ストーリーはとても悲しいものですが、とにかく映像が美しい!
まったく知りませんでしたが、昨日(10/23)から岩波ホールで上映が始まったそう。
重たいテーマですが、あの素晴しい景色は見てほしいなあ。
[PR]
by arinko-s | 2011-10-19 21:48 | 映画 イタリア