マドンニーナといえば、ミラノのシンボル。ミラノのドゥオーモの一番高いところで輝く聖母マリア像のことです。
そのマドンニーナが、修復のため尖塔からはずされ、地上へ降ろされたそうです。
そして今日から6月14日まで一般公開されるそう。
わたし自身、いつもあそこにマドンニーナが輝いていることは知っていましたが、近くで見たことはもちろん一度もありません。
ミラノのドゥーモの屋上には上れますが、たとえ屋上へ上ってもマドンニーナにはまだまだ遠い!
マドンニーナは高い高い場所から、ミラノの街を見守り続けているのです(写真で確認すると、街を見おろすというより天を仰いでいますが…)。
近くで見たことがないばかりか、その歴史についてもろくすっぽ知らないことに、この記事を読んで思いいたりました。
マドンニーナのオリジナルの木像(現存するのは胸部のみ)が作られたのは1769年。
Giuseppe Antignati(ジュゼッペ・アンティニャーティ)氏の手によるそうです。
このクルミ材の像に33枚の金メッキを施した銅板が貼られ、尖塔に載せらたのが1774年12月。
マドンニーナの持つ(厳密にいえば持ってはいませんが)ほこやりは避雷針の役目を兼ね、1967年の大嵐では、見事このほこやりを稲妻が突き抜けたそうです。
そして60年代終わり、形はそのままに、ステンレススチールで像が作り直されました。
その際、6,750枚の金箔をかぶせた銅板が、この像に貼り直されたそうです。
つまり今わたしたちが目にしているのは、この時に作られたものなのですね。
まったく知りませんでした。
展覧会には、オリジナルの木像、稲妻貫通の穴の開いたほこやり、鉄製とステンレス製の像が展示されるそうです。
なんともイタリアらしいのは、実はこの修復費用、未だに予算の3割程度しかめどが立っていないのだそうです。
「誰にとっても厳しい時期だということは重々承知していますが、きっと修復費用を集められると信じております」とは、公的、私的寄付金集めに奔走しているドゥオーモ財産管理委員会会長の言葉。
もちろん展覧会の入場料は修復費用に充てられるそうです。
今から6月までにミラノへ行く方、ぜひ展覧会を見て、修復費用にご協力を!
あ〜、わたしもマドンニーナに会いたい!
(『La corriera della sera』12月14日付け ネット版より)