先日見た映像で、ある男性が「Siamo in ballo. Balliamo(シアーモ・イン・バッロ。バッリアーモ)」と言っていました。
balloというのは、踊り・ダンス・舞踏会の意味。
「ぼくたちは踊りの最中です、踊りましょう」直訳するとこんな感じ。
でもこの男性、それまで野球の話をしていたのです。
え〜〜、どうしていきなりダンス? どうして「踊りましょう」??
辞書を引くとballoには「かかわり、巻き添え、問題」という意味もあることが、わかりました。
それにしても「ぼくたちは、問題のさなかにあります。踊りましょう」ってどういうこと??
なんでいきなり、踊り出す??
まったくわけわからずに、恩師のダニエレにS.O.Sを。
siamoというのは、英語のbe動詞に当たるessere の変化形ですが、
「
essere in ballo」で、「何かが始まってしまい、もう引き返せない状況に置かれている」ことを指すのだと教えてくれました。
音楽の流れるダンスホールに立たされ、こうなったら踊らなくては仕方ない、という様な状況に使うのだそうです。
なるほどなるほど。
つまりこの男性は「もう始まっているんだ、やるしかないさ(やってやろうじゃないか)」と言っていたのです。
野球の話が、いきなりダンスの話に変わってしまったわけではありませんでした。
納得。
それにしても、なぜこの熟語に「ダンス」?
実はイタリア人にとっても、人前で踊るのはけっこう勇気がいることなのかも。
ちなみに、後から伊伊事典を引いてみたら、きちんとこの意味の例文が載っていました。
すまん、ダニエレ!
これからは、助けを求める前に伊伊事典を開きます。